耳で覚える! 行政書士 行政法1
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問1

行政法に属さないのはどれ?
1 民法
2 憲法
3 訴訟法
4 刑法

1の正解はここ
1
民法や商法は私法となります。行政法は公法なので民法は属しません。

問2

行政組織法でないのはどれ?
1 内閣法 2 行政手続法 3 国家行政組織法 4 地方自治法

2の正解はここ
2
行政手続法は「行政作用法」に当てはまります。

問3

行政救済法にあてはまるのはどれ?
1 国家行政組織法 
2 警察官職務執行法
3 行政事件訴訟制度
4 内閣法

3の正解はここ
3
1・4:国家行政組織法と内閣法は行政組織法です。
2:警察官職務執行法は行政作用法です。

問4

行政作用法はどれ?
1 行政手続法
2 地方自治法
3 国家賠償制度
4 行政不服申立制度

4の正解はここ
1
2:地方自治法は行政組織法です。
3・4:国家賠償制度と行政不服申立制度は行政救済法です

問5

法律による行政の原理の内容でないのはどれ?
1 憲法保証制度
2 法律の法規創造力の原則
3 法律の優位の原則
4 法律の留保の原則

5の正解はここ
1
2.3.4が法律による行政の原理の内容です。
2:法律の法規創造力の原則とは、法律によってのみ法律を創造できるというもの。
3:法律の優位の原則とは、行政活動は法律に反してはならないというもの。
4:法律の留保の原則とは、個人の権利を制限し義務を課す行政活動には法律の根拠が必要であるというもの。

問6

法律により権限を与えられた機関が補助機関に決済の権限を委ねるのはどれ?
1 権限の代行
2 権限の委任
3 権限の代理
4 専決

6の正解はここ
4
「決済の権限」は専決と覚えるといいかもしれません。
1:権限の代行とは、2.3.4.をまとめた言い方です。
2:権限の委任とは、自己に与えられた権限の一部をそっくり他の機関に委任して行わせる事。委任した機関の権限はなくなります。
3:権限の代理とは、他の行政機関に権限を与え、代わりに権限を行使させるものです。代理権は一時的に使われるもので、権限が移転するわけではありません。

問7

行政作用法の行政行為で、「命令的行為」でないのはどれ?
1 下命 2 許可 3 認可 4 免除

7の正解はここ
3
認可は「形成的行為」となります。命令的行為と形成的行為はどちらも「法律行為的行政行為」に当たります。
命令的行為 = 下命・禁止・許可・免除

問8

行政作用法の行政行為で、準法律行為的行政行為でないのはどれ?
1 代理 2 確認 3 通知 4 公証

8の正解はここ
1
代理は法律行為的行政行為の形成的行為に当たります。
準法律行為的行政行為 = 確認・公証・通知・受理

問9

「破壊消防」とも呼ばれる消防法29条の、消防吏員・消防団員の活動は行政法上の行為形式に属するものとされているが、その行為形式について名称、内容を40字程度で述べよ。

(消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命救助のために必要のある時は、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することが出来る)

9の正解はここ
EX:即時強制といい、義務を生じる余裕がない場合、直接身体若しくは財産に有形力を行使する。

問10

行政手続法で適用除外の対象はどれ?
1 届け出に関する処分
2 外国人の出入国に関する処分
3 行政指導

10の正解はここ
2
外国人の出入国に関する処分や地方公共団体の機関が命令等を定める行為など、一定の行政作用については適用除外(この法律が適用されないというもの)が認められています。
行政手続法の対象行政活動:処分(申請・不利益)、行政指導、届け出に関する手続き、命令等を定める手続き

問11

行政庁の許可や認可など、何らかの利益を付与する処分を求める行為はどれ?
1 申請 2 届出 3 救済 4 不利益処分

11の正解はここ
1、申請。
申請に対し、行政は諾否の応答や、審査して処分をします。

問12

不利益処分を受ける際、口頭により言い訳を述べる機会を与えられる事を何という?
1 意見陳述
2 届出
3 聴聞
4 弁明の機会の付与

12の正解はここ
3、ちょうもん。
1:意見陳述とは、不利益処分を受ける事になった際、言い訳をする機会の事。
2:届出は、行政庁に対して通知をする事。
4:弁明の機会の付与とは、1の中で、書面で意見陳述するもの。

問13

行政手続法で、正しい語句の組み合わせはどれ?

申請 : 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他[A]に対し、何らかの利益を付与する処分を求める行為であり、当該行為に対して行政庁が[B]をすべきこととされている

不利益処分 : 行政庁が法令に基づき、[C]を名あて人として直接、これに義務を課し又はその権利を制限する処分をいう。

行政指導 : 行政機関がその任務又は[D]の範囲内において一定の行政目的を実現する為[E]に一定の作為又は不作為を求める指導・勧告・助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

語句

1 A 特定の者 B 一定の処分 C 特定の者 D 法律に基づく命令 E 特定の者
2 A 自己 B 諾否の応答 C 不特定の者 D 職務命令 E 不特定の者
3 A 特定の者 B 一定の処分 C 特定の者 D 管轄 E 不特定の者
4 A 自己 B 諾否の応答 C 特定の者 D 所掌事務 E 特定の者

13の正解はここ
4
ポイントはD、名称は覚えないと点をとれないので注意です。

問14

行政救済法で、国民の権利利益の救済を図るシステムでないのはどれ
1 意見公募手続
2 行政不服申立制度
3 行政事件訴訟制度
4 国家賠償制度

14の正解はここ
1。意見公募手続。
行政救済法は「不当な行政活動により国民の身体・財産に損害が及ぶ事に備え、国民の権利利益の救済を図るシステム」で、行政不服申立制度・行政事件訴訟制度・国家賠償制度・損失補償制度です。

問15

行政庁の処分に不服がある場合に処分庁に対し請求できるものはどれ?
1 再調査の請求
2 再審査請求
3 再異議申立て
4 異議申立て

15の正解はここ
1 再調査の請求。
「行政庁の処分」に不服がある場合に処分庁に対する手続きです。
「再審査請求」は、審査請求の裁決に対して不服がある時の手続きで、原処分や原裁決を対象としています。

問16

原則、処分についての審査請求期間で誤りはどれ?
1 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月
2 処分があった日の翌日から起算して1年
3 処分があった日から起算して3か月

16の正解はここ
3
審査請求期間は原則、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月と、処分があった日の翌日から起算して1年です。

問17

原則、審査請求の審理手続を行うのは誰?
1 行政不服審査会
2 審理員
3 審査庁
4 処分庁

17の正解はここ
2
原則として、審理手続を行う場合は、審査庁は審理員を指名します。

問18

行政不服審査法が定める審査請求の手続等に関し誤りはどれ?

1 行政庁の処分に不服がある者は当該処分が法律上適用除外とされていない限り、当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることが出来る旨の定めがないものも審査請求することが出来る。

2 審理員は審査請求人の申立てがあった場合は口頭意見陳述の機会を与えなければならないが、参加人がこれを申し立てる事は出来ない

3 審査請求人は審理手続が終了するまでの間、審理員に対し提出書類等の閲覧を求める事ができるが、その写しの交付を求める事もできる

4 審査庁は審査請求が不適法であって補正をすることが出来ないことが明らかな時は、審理員による審理手続を経ないで裁決で当該審査請求を却下することが出来る

5 審査請求は審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合、処分庁を経由してすることもできるが、処分庁は提出された審査請求書を直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない

18の正解はここ
2
審理員は、審査請求人または参加人の申立てがあった場合は口頭意見陳述の機会を与えなければならない。となります。

問19

行政訴訟の対象になるのはどれ?
1 命令の制定
2 行政契約
3 行政行為
4 行政指導

19の正解はここ
3 行政行為。
行政事件訴訟法は行政庁の処分などが対象です。この処分とは行政作用の行政行為と同じようなもので、「それだけで国民に対して不利益を与えるものではない」命令の制定や、行政契約、行政指導等は該当しません。

問20

取消訴訟における本案判決でないのはどれ?
1 却下判決
2 棄却判決
3 事情判決
4 認容判決

20の正解はここ
1 却下判決。
却下判決:訴えが訴訟要件を欠いている場合、不適法として却下する判決です
棄却判決:処分の取消を求める請求に理由がないとし請求を排斥する判決
事情判決:処分を取り消すことで公の利益に著しい障害を生ずる場合、一定要件のもと請求を棄却する判決
認容判決:処分取消しを求める請求に理由があると認め処分を取り消す判決

問21

地方財務に関する判例に照らし誤りはどれ

1 普通地方公共団体は、予算の定めるところにより、地方債を起こすことが出来るが、起債前に財務大臣の許可を受けなければならない

2 普通地方公共団体は、分担金、使用料、加入金、および手数料を設ける場合、条例でこれを定めなければならない

3 選挙権を有する普通地方公共団体の住民は、その属する普通地方公共団体の条例の制定または改廃を請求する権利を有するが、地方税の賦課徴収に関する条例については、その制定または改廃を請求することはできない

4 市町村が行う国民健康保険は、保険料を徴収する方式のものであっても、強制加入とされ、保険料が強制徴収され、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するものであるから、これについても租税法律主義の趣旨が及ぶと解すべきである

5 地方税法の法定普通税の規定に反する内容の定めを条例に設けることによって当該規定の内容を実質的に変更する事は、それが法定外普通税に関する条例であっても、地方税法の規定の趣旨、目的に反し、その効果を阻害する内容のものとして許されない

21の正解はここ
1
地方債を起こす場合、政令の定めるところにより、起債前に「総務大臣または都道府県知事と協議」します。協議に関しては起債前の必ずしなければならないわけではないです

問22

上下水道の利用関係について判例に照らし妥当なものはどれ

1 市町村は、給水契約の申し込みに応じる義務があるが、現に給水が可能であっても、将来において水不足が生じることが確実に予見される場合には給水契約を拒むことも許される

2 マンションを建設しようとする者に対して市町村がその指導要綱に基づいて教育施設負担金の納付を求めることは、それが任意のものであっても違法となり、それに従わない者の給水契約を拒否する事は違法である

3 市町村は、利用者について不当な差別的取り扱いをすることは許されないから、別荘の給水契約者とそれ以外の給水契約者の基本料金に格差をつける条例の規定は無効であり、両者を同一に取り扱わなければならない

4 水道料金を値上げする市町村条例の改正がなされると、給水契約者は、個別の処分を経ることなく、値上げ後の水道料金を支払う義務を負う事となるから、給水契約者は、当該条例改正の無効確認を求める告訴訴訟を提起する事が許される

5 水道料金を納付しない利用者に対する給水の停止措置は、市町村の条例を根拠とする公権力の行使であるからこれを民事訴訟で差し止める事は許されず、水道の給水停止の禁止を求める民事訴訟は不適法である

22の正解はここ
1
市町村は給水契約に応じる必要があるが、現に給水が可能でも将来において水不足が生じることが確実に予測される場合は、「正当の理由」があるとして給水契約を拒むことが出来ます。
2:指導要綱に基づいて教育施設負担金の納付を求め、それに従わない者の給水契約を拒否する事は違法であるとしていますが、「任意性を損なうようなことがあれば」違法となり、「任意のものであっても」違法であるとはしていません
3:別荘の給水契約者とそれ以外の給水契約者の基本料金に格差をつける条例の規定は不当な差別的取り扱いに当りますが、基本料金の設定は水道事業者の裁量として許されないものではないです。
4:水道料金の値上げは特定の者に対してのみ適用されるのではなく、一般的に改定するものであるため、「処分と同視できない」ことより抗告訴訟の対象とはならないです(抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらない)
5:行政契約は民法が適用されるものもあり、契約違反の場合は民事手続きにより義務の履行を強制しますので、民事訴訟で差し止めることが出来ます。

問23

朝日訴訟最高裁判所の事案について正しいものはどれ

 原告Xは、以前からA県にある国立B療養所に単身の肺結核患者として入所し、厚生大臣(当時)の設定した生活扶助基準で定められた最高金額である月600円の日用品費の生活扶助と現物による全部給付の給食付医療扶助とを受けていた。ところが、Xが実兄Cから扶養料として毎月1500円の送金を受けるようになったために、所轄のA県のD市社会福祉事務所長は、月額600円の生活扶助を打ち切り、Cからの上記送金額から日用品費を控除した残額900円を医療費の一部としてXに負担させる旨の保護変更決定をした。これに対してXは、A県知事、ついで厚生大臣に対して不服の申立をおこなったが、いずれにおいても違法はないとして本件保護変更決定が是認されたので、上記600円の基準金額は生活保護法の規定する健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するにたりない違法なものであると主張して、取消訴訟を提起した。しかしその後Xは本件訴訟係属中に死亡した。

(生活保護法第59条:被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができない)

問23

1 保護受給権はX個人に与えられた一身専属の権利であり、他の者にこれを譲渡することはできず、相続の対象にもなりえないが、裁判所は、本件保護変更決定の前提となる生活扶助基準の適法性について判断する必要があるので、本件訴訟はXの死亡と同時にその相続人に承継される

2 生活保護法の規定に基づきXが国から生活保護を受けるのは、これを保護受給権と称されることがあるとしても、その法的性格は国の社会政策の実施に伴う反射的利益というべきであり、Xの死亡においてそれが相続の対象となることもないから、本件訴訟はXの死亡と同時に終了する

3 Xの生存中の扶助ですでに遅滞しているものの給付を求める権利は、医療扶助についてはもちろん、金銭給付を内容とする生活扶助ももっぱらXの最低限度の生活の需要を満たすことを目的とするものであるから、相続の対象となりえず、本件訴訟はXの死亡と同時に終了する

4 本件保護変更決定によってXは医療費の一部自己負担をせざるをえなくなるが、本件保護変更決定が違法であるとすれば、かかる負担についてXは国に対して不当利得返還請求権を有する事になるから、当該請求権は相続の対象となり、本件訴訟はXの死亡と同時にその相続人に承継される

5 生活保護法の規定に基づき被保護者が国から生活保護を受けるのは法的権利であり、同法が、被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができないと規定するのは、被保護者の生存中についての定めであるから、Xの保護請求権は相続の対象となり、本件訴訟はXの死亡と同時にその相続人に承継される

朝日訴訟最高裁判所大法廷判決

23の正解はここ
3
1:保護受給権は被保護者の一身専属的権利となり、他に譲渡したり相続の対象にもならないため、承継されないとなります。
2:生活保護を受けるのは、単なる反射的利益ではなく、法的権利であり、保護受給権とも称すべきものとしています
4:本件の不当利得返還請求は、保護変更決定により医療費の一部自己負担金に繰り入れられた月額を限度として、そのうち本件生活扶助基準金額との差額に相当する部分について成立すると考える。これは本件却下裁決が取り消されることを前提として成立するものなので、裁決の取消の訴えは保護決定者のみに専属する権利の為、相続人による相続は許されないとなります。
5:生活保護法を受ける権利は被保護者の一身専属的権利なので、死亡によって当然に消滅し相続の対象にもならないです。