耳で覚える!行政書士 行政法2
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問1

AはZ県内で開発行為を計画しZ県知事に都市計画法に基づく開発許可を申請した。しかし知事はこの開発行為によりがけ崩れの危険があるなど、同法所定の許可要件を充たしていないと申請を拒否する処分をした。これを不服とし、AはZ県開発審査会に審査要求をしたが、同審査会も拒否処分を妥当とし審査請求を棄却する議決をした。この為Aは申請拒否処分と棄却裁決の両方につき取消訴訟を提起した。
この裁決取消訴訟の被告はどこで、こうした裁決取消訴訟において一般に許される主張はどのようなもので、何という原則か40字程度で記述せよ

1の正解はここ
ex:Z県が被告となり、裁決固有の瑕疵のみ主張できる。この原則を原処分主義という。
行政事件訴訟法で、裁決の取消の訴えにおいて、当該裁決をした行政庁の所属する国または公共団体を被告として提起します。
今回、申請拒否処分をだしたのはZ県、棄却裁決をしたのはZ県開発審査会であり、Z県に所属するのでZ県が被告となります。
また、裁決取消訴訟をする場合、処分が違法である事を理由に取り消しを求める事は出来ず、「裁決の権限や手続きに問題がある」という瑕疵を理由にしなければなりません。最後に、処分について争いたい場合は処分取消訴訟を提起しなくてはならないという原則があり、これを原処分主義といいます。

問2

Z県内のY市立中学校に在籍する生徒Aが、Z県が給与を負担する同校の教師Bによる監督が十分でなかったため体育の授業中に負傷した。法令、判例に照らし妥当な記述はどれ

1 AはBに過失が認められれば、Y市に国家賠償を求めるのと並び、Bに対して民法上の損害賠償を求めることが出来る

2 Y市がBの選任及び監督について相当の注意をしていたとしても、Bの不法行為が認められればY市はAへの国家賠償責任を免れない

3 Bの給与をZ県が負担していても、AはZ県に国家賠償を求める事は出来ず、Y市に求めるべきこととなる

4 Aが外国籍である場合、その国が当該国の国民に対して国家賠償を認めている場合にのみ、AはY市に国家賠償を求めることができる

5 Y市がAに対して国家賠償をした場合、Y市はBに故意が認められなければBに求償することはできない

2の正解はここ
2が妥当である。
1:国家賠償請求は国または公共団体が賠償の責に任ずるのであり、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものではなく、公務員個人もその責任を負うものではない。とあります
3:国または公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当たる者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理費用を負担するものが異なるときは、費用を負担するものもまた、その損害を賠償する責に任ずる。とあるので、A県にも国家賠償を求めることが出来ます。
4:外国人が被害者である場合、相互の保証がある時に限りこれを適用する。とありますので、Aの本国が「日本国民に対して」国家賠償請求を認めている場合に限られます。「当該国の国民に対し」ではありません。
5:公務員が職務を行うについて、「故意または重大な過失があったときは、国または公共団体はその公務員に対し求償権を有する」とありますので、「故意」のみではありません。

問3

直接参政制度で、住民が直接請求できるのはどれ?
1 衆議院の解散請求
2 参議院の解散請求
3 法律の制定請求
4 地方公共団体議会の解散請求

3の正解はここ
4
直接請求は6つ。有権者1/50以上の連署で条例の制定・改廃請求、事務の監査請求。
有権者1/3以上の連署で、議会の解散請求、議員の解職請求、長の解職請求、役員の解職請求 です。

問4

地方公共団体の機関でないのはどれ?
1 地方議会
2 長
3 行政委員会
4 地方裁判所

4の正解はここ
4
1:議会は地方公共団体の議決機関です
2:都道府県知事や市町村長の事で、執行機関の1つです。
3:複数の委員からなる合議制の執行機関です。

問5

地方自治法の定める都道府県の事務に関するもので正しいのはどれ

1 都道府県の法定受託事務は、国が本来果たすべき役割に係るものであるから、法定受託事務に関する賠償責任は国にあり都道府県に賠償責任が生じる事はないとされている

2 都道府県の自治事務と法定受託事務はいずれも事務の監査請求および住民監査請求の対象となることがある

3 都道府県は自治事務については条例を制定することができるが、法定受託事務については条例を制定することが出来ない

4 都道府県の事務は自治事務、法定受託事務及び機関委任事務の3種類に分類される

5 都道府県の自治事務については地方自治法上、どのような事務がこれに該当するか例示列挙されている

5の正解はここ
2 都道府県の自治事務と法定受託事務はいずれも事務の監査請求および住民監査請求の対象となることがある。
1:自治事務と法定受託事務は地方公共団体の事務であり国の公権力を行使するのではなく地方公共団体の公権力を行使するものである。その為、国家賠償法が適用され、都道府県に賠償責任が生じる事がある
3:普通地方公共団体は自治事務と法定受託事務の両方の条例を制定することが出来る。
4:地方分権一括法による改正で機関委任事務は廃止となり、自治事務と法定受託事務の2種類となりました。
5:法定受託事務は例示列挙されているが、自治事務は例示列挙されていません。

問6

行政指導について正しいものはどれ

1 行政指導とは、行政機関がその任務または所掌事務の範囲内において、一定の行政目的を実現する為特定の人や事業者に一定の行為を行う・または行わないよう具体的に求める行為で、指導・勧告・助言・処分などである

2 行政指導を受けたものは速やかに従わなければならない。

3 行政指導を行う者はその趣旨・内容・責任者を明確に示さなければならず、書面を要求されれば原則書面にすることが出来る

4 申請などの届出は、記載事項に漏れ等がなく、形式上の要件に適合している場合、役場はその届出を受け取らなければならず、受け取らなかった場合でも提出先機関の事務所に到達した時、届け出行為が完了したものとなる

6の正解はここ
3が正しいです。
1:行政指導の行為の説明は正しいですが、「処分」は行政指導の具体的行為ではありません。
2:行政指導は自主的な協力により実現されますので、必ず従わなければならないものではなく、従わなくてもその後不利益な扱いを受けるなどもありません。
4:届出は行政庁に対し一定事項の通知をする行為で、国民に対し法令によって通知が義務付けられているものをいいますが、申請は除かれます

問7

不利益処分について誤りはどれか

1 不利益処分とは、原則、行政庁が法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接義務を課し、またはその権利を制限する処分の事

2 不利益処分を公正に行うため、行政庁は法令の規定を具現化し、不利益処分をする為の基準を定めなければならず、その処分基準は窓口に備え付けたりHPに掲載するなどで公表しなければならない。

3 意見陳述の手続をとらなくてはならず、原則、許認可等取消や職務解任など、不利益の大きい処分は聴聞手続きを経なければならず、不利益の小さいものは弁明手続がとられる。

4 聴聞の規定に基づく処分又は不作為については審査請求の対象とはならない

7の正解はここ
2
「定めなければならず・公表しなければならない」が誤りです。これらは「努めなければならない」が正解です。

問8

パブリックコメントについて誤りはどれ?

1 意見公募手続のことで、命令等を定めるにあたり広く一般の意見や情報を求める制度の事

2 原則、公示の日から30日以上の意見提出期間を定める

3 政令や告示、処分基準などの「命令等制定機関」は、命令等の公布と同じ時期に、提出された意見や結果とその理由を公示しなければならない

4 地方公共団体は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため意見公募手続を行わなければならない

8の正解はここ
4
地方公共団体は意見公募手続を行わなくても良いとなっています。ただし、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。

問9

行政不服申立てについて誤りはどれ?

1 行政不服申立には、審査請求・再調査の請求・再審査請求・異議申立てがあり、対象は行政庁の処分と不作為に限定される

2 審査請求は、処分又は不作為についてその行政庁に係る最上級行政庁に対し不服を申し立てるもので、処分についての審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にしなければならない。また、審査請求に対する行政庁の判断を裁決という。

3 再調査の請求は、行政庁の処分について処分庁に対し不服を申し立てることで、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にしなければならない。また、これに対する行政庁の判断を決定という

4 再審査請求は、審査請求に対する裁決についてさらに不服を申し立てるもので、審査請求の裁決があったことを知った日の翌日から起算して1か月以内にしなければならない

9の正解はここ
1
異議申し立ては、2016年の改正で廃止されました。

問10

食中毒事故の原因食材を厚生大臣が公表したもので、その国家賠償責任が問われた判決に明らかに反しているのはどれ

食中毒事故が起こった場合その発生原因を特定して公表する事に関し、直接これを定めた法律の規定が存在しないのは原告の指摘するとおりである。
しかし行政機関が私人に関する事実を公表したとしても、それは直接その私人の権利を制限しあるいはその私人に義務を課すものでないから行政行為にあたらず、いわゆる非権力的事実行為に該当しその直接の根拠となる法律上の規定が存在しないからと言ってそれだけで直ちに違法の問題が生じることはないというべきである。もちろんその所管する事務とまったくかけ離れた事項について公表した場合には、それだけで違法の問題が生じることも考えられるが、本件各報告の公表はそのような場合ではない。
すなわち厚生省は、公衆衛生行政・食品衛生行政を担い、その所管する食品衛生法は「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し公衆衛生の向上及び増進に寄付する事」を目的としているのであるから、本件集団下痢症の原因を究明する本件各報告の作成・公表は、厚生省及び厚生大臣の所管する事務の範囲内に含まれることは明らかである。
このように、厚生大臣がその所管する事務の範囲内において行い、かつ、国民の権利を制限し、義務を課すことを目的としてなされたものではなく、またそのような効果も存しない本件各報告の公表について、これを許容する法律上の直接の根拠がないからといってそれだけで直ちに法治主義違反の違法の問題が生じるとはいえない。

1 法律の留保に関するさまざまな説のうち、いわゆる侵害留保説が前提とされている

2 行政庁がその所掌事務からまったく逸脱した事項について公表を行った場合、当該公表は違法性を帯びることがありうるとの立場がとられている

3 義務違反に対する制裁を目的としない情報提供型の公表は非権力的事実行為に当たるとの立場がとられている

4 集団下痢症の原因を究明する本件各報告の公表には食品衛生法の直接の根拠が存在しないとの立場がとられている

5 本件公表は国民の権利を制限し義務を課すことを直接の目的とするものではないが、現実には特定の国民に重大な不利益をもたらす事実上の効果を有するものであることから、法律上の直接の根拠が必要であるとの立場がとられている

10の正解はここ
5
「本件公表は~直接の目的とするものではなく、またそのような効果も存しない」とありますので5が誤りとなります。