耳で覚える!行政書士 テキスト 行政法5
ここからチャンネル登録をしておけます。あとで探す手間が省けます。→
問1

内閣法および国家行政組織法に関し正しいのはどれ

1 各省大臣は国務大臣のうちから内閣総理大臣が命ずるが、内閣総理大臣が自ら各省大臣に当たる事は出来ない

2 各省大臣はその機関の事務を統括し、職員の服務についてこれを統督するが、その機関の所掌事務について命令または示達をするため所管の諸機関及び職員に対し告示を発することが出来る

3 各省大臣は、主任の行政事務について法律又は政令の制定・改正または廃止を必要と認める時は、案をそなえて内閣総理大臣に提出して閣議を求めなければならない

4 各省大臣は、主任の行政事務について法律もしくは政令を施行する為、または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれの機関の命令として規則その他の特別の命令を発することが出来る

5 各省大臣は主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理するものとされ、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督する事は出来ない

1の正解はここ
3
1:各省大臣は国務大臣のうちから内閣総理大臣が命じますが、自ら各省大臣に当たる事も可能です
2:各省大臣はその機関の所掌事務について公示を必要とする場合は告示を発することが出来ます。命令又は示達をする為、所管の諸機関及び職員に対し発するのは「訓令又は通達」です
4:政令および省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができるのは各委員会および各庁長官です。各省大臣が機関の命令として発するのは省令です
5:内閣総理大臣は行政各部を指揮監督するとされています

問2

行政指導についての行政手続法に関し正しいのはどれか

1 法令に違反する行為の是正を求める行政指導で、その根拠となる規定が法律に置かれているものが当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、何人も、当該行政指導をした行政機関に対しその旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることが出来る

2 行政指導は、行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現する為一定の作為または不作為を求める指導・勧告・助言その他の行為であって処分に該当しないものをいい、その相手方が特定か不特定かは問わない

3 地方公共団体の機関がする行政指導のうち、その根拠が条例または規定に置かれているものについては、行政手続法の行政指導に関する定めの適用はないが、その根拠が国の法律に置かれているものについてはその適用がある

4 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から当該行政指導の趣旨および内容ならびに責任者を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限りこれを交付しなければならない

5 行政指導指針を定めるにあたって、行政手続法による意見公募手続をとらなければならないとされているのは、当該行政指導の根拠が法律・条例または規則に基づくものに限られ、それらの根拠なく行われるものについては意見公募手続に関する定めの適用はない

2の正解はここ
4
1:行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることが出来るのは行政指導の相手方ですので、何人もではないです。
2:行政指導は「特定の者」に求めます
3:条例又は規定に置かれているものだけでなく国の法律に置かれているものについても行政指導に関する定めの適用はありません
5:意見公募手続(パブリックコメント)は、根拠が法律・条例または規則に根拠なく行われるものでも定めの適用があります。意見公募手続の規定適用しないものは、「地方公共団体の機関が命令等を定める行為」「法令の規定若しくは慣行として、または命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外の行政指導指針を定める行為」などです

問3

聴聞についての行政手続法に関し正しい組み合わせはどれ

ア 聴聞は行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰するが、当該聴聞の当事者や参加人など、当該不利益処分の対象者に一定の関連を有する者のほか、行政庁の職員のうち、当該不利益処分に係る事案の処理に直接関与した者は、主宰者となることができない

イ 行政庁は、予定している不利益処分につき聴聞の主宰者から当該聴聞に係る報告書の提出を受けてから、当該不利益処分を行うか否か決定するまでに通常要すべき標準的な期間を定め、これを当該聴聞の当事者に通知するよう努めなければならない

ウ 主宰者は、当事者の全部または一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書又は証拠書類等を提出しない場合、これらの者に対し改めて意見を述べ、および証拠書類等を提出する機会を与えることなく聴聞を終結することができる

エ 行政庁は、申請に対する処分であって申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該処分の根拠法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、当該申請者以外の者に対し、不利益処分を行う場合に準じた聴聞を行わなければならない

オ 聴聞の通知があった時から聴聞が集結するまでの間、当事者から行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められた場合、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由がある時は、その閲覧を拒むことが出来る

3の正解はここ
ウ・オが正しい
ア:当該不利益処分に係る事案の処理に直接関与した者は主宰者となれます。主宰者になれないのは「当該聴聞の当事者または参加人・その配偶者・4親等以内の親族または同居の親族・当該聴聞の当事者または参加人の代理人又は保佐人・これらだった者・当事者または参加人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人または補助監督人・参加人以外の関係者」です。
エ:「当該申請者以外の者に対し聴聞を行わなければならない」が誤り。「必要に応じ公聴会の開催やその他方法で当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない」が正しいです

問4

行政手続法に関し正しい組み合わせはどれか

ア 行政指導指針は、行政機関がこれを定めた時は、行政上特別の支障がない限り公表しなければならない

イ 申請に対する処分が標準処理期間内に行われない場合、そのことを理由として直ちに不作為の違法確認の訴えにおいてその請求が認容される

ウ 行政庁が処分基準を定めた時は、行政上特別の支障がある事を除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適法な方法により公にしておかなければならない

エ 申請により求められた許認可等を拒否する場合において、申請者に対する理由の提示が必要とされるのは、申請を全部拒否する時に限られ、一部拒否の時はその限りではない

オ 法律に基づく命令・審査基準・処分基準および行政指導指針を定める場合、公益上緊急に定める必要がある場合など行政手続法が定める例外を除いて意見公募手続をとらなければならない

4の正解はここ
ア・オが正しい
イ:標準処理期間を超えただけでは「直ちに」違法とはなりません。
ウ:処分基準は公にするよう努めなければならない。です。
エ:全部拒否する場合も一部拒否の場合も申請者に対し理由の提示が必要です。
※行政指導指針は公表・審査基準は備付け等で公にする・処分基準は公にするよう努める。

問5

裁決及び決定についての行政不服審査法に関し正しい組み合わせはどれ

ア 審査請求人は、処分についての審査請求をした日(審査請求書につき不備の補正を命じられた場合は当該不備を補正した日)から、行政不服審査法に定められた期間内に裁決がないときは、当該審査請求が審査庁により棄却されたものとみなすことができる

イ 審査請求については、裁決は関係行政庁を拘束する旨の規定が置かれており、この規定は再審査請求の裁決についても準用されているが、再調査請求に対する決定については準用されていない

ウ 審査請求および再審査請求に対する裁決については、認容・棄却・却下の3つの類型があるが、再調査請求については請求期間の定めがないので、これに対する決定は認容と棄却の2つの類型のみである

エ 審査請求においては、処分その他公権力の行使に当たる行為が違法または不当であるにもかかわらず、例外的にこれを認容せず、裁決主文で違法または不当を宣言し、棄却裁決をする制度(事情判決)があるが、再調査の請求に対する決定についても類似の制度が規定されている

オ 事実上の行為のうち、処分庁である審査庁に審査請求をすべきとされているものについて、審査請求に理由がある場合には、審査庁は事情裁決の場合を除き、裁決で当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃しまたはこれを変更する

5の正解はここ
イ・オ
ア:この規定はないです
ウ:審査請求・再審査請求・再調査の請求全て、認容・棄却・却下の3つの類型があります。
エ:再調査の請求に対しては事情裁決は規定されていません

問6

行政不服審査法が定める審査請求の手続等に関し誤りはどれか

1 審査請求は、審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合には、処分庁を経由してすることもできるが、処分庁は提出された審査請求書を直ちに審査庁となるべき行政庁に送付しなければならない

2 審査庁は、審査請求が不適法であって補正をすることが出来ないことが明らかな時は、審理員による審理手続を経ないで、裁決で当該審査請求を却下することが出来る

3 審査請求人は、審理手続が終了するまでの間、審理員に対し提出書類等の閲覧を求めることが出来るが、その写しの交付を求めることもできる

4 審理員は、審査請求人の申立があった場合には口頭意見陳述の機会を与えなければならないが、参加人がこれを申し立てる事は出来ない

5 行政庁の処分に不服がある者は、当該処分が法律上適用除外とされていない限り、当該処分の根拠となる法律に審査請求をすることができる旨の定めがないものについても、審査請求をすることができる

6の正解はここ
4
審理員は口頭意見陳述を与えなければならないが、これは審査請求人または参加人の申立があった場合です。

問7

行政不服審査法の規定に関し正しいのはどれ

1 地方公共団体は、行政不服審査法の規定の趣旨にのっとり、国民が簡易迅速かつ公正な手続きの下で広く行政庁に対する不服申立をすることができるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない

2 地方公共団体の行政庁が審査庁として、審理員となるべき者の名簿を作成した時は、それについて当該地方公共団体の議会の議決を経なければならない

3 不服申立ての状況等に鑑み、地方公共団体に当該地方公共団体の行政不服審査期間を設置することが不適当または困難であるときは、審査庁は審査請求に係る事件につき、国の行政不服審査会に諮問を行うことが出来る

4 地方公共団体の議会の議決によってされる処分については、当該地方公共団体の議会の議長がその審査庁となる

5 地方公共団体におかれる行政不服審査機関の組織及び運営に必要な事項は、当該地方公共団体の条例でこれを定める

7の正解はここ
5
1:この根拠はありません。行政不服審査法は、地方公共団体の機関が行う処分も、その根拠が法律にあるか条例にあるかは問わず適用されます
2:審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成した場合備付けなど適当な方法により公にしておかなければならないです
3:行政不服審査期間を置くことが不適当又は困難であるとき、条例で定めるところにより、事件ごとに執行機関の附属機関としてそおn権限に属させられた事項を処理する為の機関を置くこととすることができます。「諮問を行うことができる」わけではありません
4:地方公共団体の議会の議決によってされる処分は行政不服審査法の適用除外となり、この規定もありません

問8

行政事件訴訟法が定める執行停止に関し正しいのはどれか

1 執行停止の決定は、裁判所が疎明に基づいて行うが口頭弁論を経て行わなければならない

2 執行停止の決定は、取消訴訟の提起があった場合においては裁判所が職権で行うことができる

3 執行停止の決定は、償うことが出来ない損害を避ける為の緊急の必要がある場合でなければすることができない

4 執行停止の決定は、本案について理由があるとみえる場合でなければすることができない

5 執行停止による処分の効力の停止は、処分の執行または手続の続行の停止によって目的を達することが出来る場合にはすることができない

8の正解はここ
5
1:執行停止の決定は疎明に基づきますが、口頭弁論を経ないですることができます
2:執行停止の決定は、取消訴訟があった場合、申立てに基づき裁判所がすることができます。「職権」によっては認められません
3:執行停止の決定は、重大な損害を避ける為緊急の必要があるときにすることができます
4:執行停止の決定は、本案について理由がないとみえるときはすることができないです。

問9

行政事件訴訟法が定める行政庁の訴訟上の地位に関し誤りはどれ

1 処分をした行政庁が国または公共団体に所属しない場合、取消訴訟は当該行政庁を被告として提起しなければならない

2 処分をした行政庁は、当該処分の取消訴訟について、裁判上の一切の行為をする権限を有する

3 審査請求の裁決をした行政庁は、それが国または公共団体に所属する場合であっても、当該裁決の取消訴訟において被告となる

4 裁判所は、義務付けの訴えに係る処分につき、訴えに理由があると認める時は、当該処分の担当行政庁が当該処分をすべき旨を命ずる判決をする

5 裁判所は、私法上の法律関係に関する訴訟において処分の効力の有無が争われている場合、決定をもって、その処分に関係する行政庁を当該訴訟に参加させることができる

9の正解はここ
3
裁決した行政庁が国または公共団体に所属する場合、取消訴訟は、当該裁決をした行政庁の所属する国または公共団体を被告として提起しなければなりません。

問10

国家賠償法2条1項の責任の成否について当てはまる語句の組み合わせで正しいのはどれか

国家賠償法2条1項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が【ア】を欠いていることをいい、これに基づく国及び公共団体の賠償責任についてはその【イ】の存在を必要としないと解するを相当とする。ところで原審の確定するところによれば、本件道路は・・・従来山側から屡々(しばしば)落石があり、さらに崩土さえも何回かあったのであるから、いつなんどき落石や崩土が起こるかもしれず、本件道路を通行する人および車はたえずその危険におびやかされていたにもかかわらず、道路管理者においては「落石注意」等の標識を立て、あるいは竹竿の先に赤の布切をつけて立て、これによって通行者に対し注意を促す等の処置を講じたにすぎず、本件道路の右のような危険性に対して防護柵又は防護覆を設置し、あるいは山側に金網を張るとか、常時山地斜面部を調査して、落下しそうな岩石がある時はこれを除去し、崩土の起こるおそれのあるときは、事前に通行止めをする等の措置をとったことはない、というのである・・・かかる事実関係のもとにおいては、本件道路はその通行の安全性の確保において欠け、その管理に瑕疵があったものというべきである旨・・・そして本件道路における防護柵を設置するとした場合、その費用の額が相当の多額にのぼり、上告人県としてのその【ウ】に困却するであろうことは推察できるが、それにより直ちに道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れうるものと考える事は出来ないのであり、その他、本件事故が不可抗力ないし【エ】のない場合であることを認めることが出来ない旨の原審の判断はいずれも正当として是認することができる

1 ア 過渡的な安全性 イ 重過失 ウ 予算措置 エ 回避可能性
2 ア 通常有すべき安全性 イ 故意 ウ 予算措置 エ 予見可能性
3 ア 過渡的な安全性 イ 重過失 ウ 事務処理 エ 予見可能性
4 ア 通常有すべき安全性 イ 過失 ウ 事務処理 エ 予見可能性
5 ア 通常有すべき安全性 イ 過失 ウ 予算措置 エ 回避可能性

10の正解はここ
5
ア 通常有すべき安全性 イ 過失 ウ 予算措置 エ 回避可能性

問11

行政不服審査法の定める審査請求人に関し正しいのはどれか

1 法人でない社団であっても、代表者の定めがある者は当該社団の名で審査請求をすることができる

2 審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り行政不服審査会に審査請求をすることが出来る

3 審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について弁明書を提出することが出来る

4 審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても審査請求人に代わって審査請求の取り下げをすることができる

5 共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取り下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることが出来る

11の正解はここ
1
2:上級処分庁が存在しない場合は、当該処分庁に対し審査請求をすることとされています
3:審査請求人は、処分庁が提出した弁明書に対して反論を記載した反論書を提出できます
4:審査請求人の代理人は一切の行為をすることが出来ますが、審査請求の取り下げは特別の委任を受けた場合に限ります
5:共同審査請求人の総代は審査請求の取下げを除き、一切の行為をすることができます

問12

行政不服審査法の定める執行停止に関し正しいものはどれ

1 処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める時は、審査請求人の申立てによりまたは職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部または一部の停止その他の措置をとることができる

2 審査庁は、処分、処分の執行または手続の続行により生ずる重大な損害を避ける為緊急の必要があると認める時は、審査請求人の申立がなくとも職権で執行停止をしなければならない

3 審理員は、必要があると認める場合は審査庁に対し、執行停止をすべき旨の意見書を提出することができ、意見書の提出があった場合、審査庁は速やかに執行停止をしなければならない

4 執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更した時は、審査庁はその執行停止を取り消すことが出来る

5 処分庁の上級行政庁または処分庁が審査庁である場合には、処分の執行の停止によって目的を達する事ができる場合であっても処分の効力の停止をすることができる

12の正解はここ
4
1:職権で執行停止をできるのは「処分庁又は上級行政庁」です。また、処分の執行又は手続の全部または一部の停止をできるので、それ以外の措置はとれません
2:銃だな損害を避けるために緊急の必要があると認める時、「審査請求人の申立てがあった場合」執行停止をしなければなりません。
3:意見書の提出があった場合、審査庁は速やかに「執行停止するかどうか決定しなければならない」です。執行停止をしなければならない。が誤りです
5:処分の執行の停止など、処分の効力の停止以外で目的を達することが出来る場合はすることができません。

問13

許認可の申請拒否処分の取消訴訟に関し妥当なものはどれ

1 申請拒否処分の取消訴訟には、申請された許認可を命ずることを求める義務付け訴訟を併合提起できるが、当該申請拒否処分の取消訴訟のみを単独で提起することも許される

2 申請拒否処分の取消訴訟を提起した者は、終局判決の確定まで、申請された許認可の効果を仮に発生させるため、当該申請拒否処分の効力の停止を申し立てることができる

3 申請拒否処分の取消訴訟については、出訴期間の制限はなく、申請を拒否されたものは、申請された許認可がなされない限り当該申請拒否処分の取消訴訟を提起できる

4 申請拒否処分の取消訴訟の係属中に当該申請拒否処分が職権で取り消され、許認可がなされた場合には、当該取消訴訟は訴えの利益を失い、請求は棄却されることとなる

5 申請拒否処分の取消訴訟において、当該申請拒否処分の取消しの判決が確定した場合には、その判決の理由のいかんに関わらず、処分庁は再度、申請拒否処分をすることは許されない

13の正解はここ
1 義務付け訴訟と処分取消訴訟を併合提起、または処分取消訴訟を単独提起できます。義務付け訴訟の単独提起はできません。
2:執行停止の申立てをするには、申立ての利益が必要となります。これは執行停止によって回復される利益なので、申請拒否処分が執行停止されても、行政庁としてその申請の審査義務が生じるわけではなく回復すべき利益はないので、執行停止の申立の利益はないです
3:取消訴訟は出訴期間があります。原則、処分があったことを知った日から6カ月または処分の日から1年を経過すると提起できなくなります。
4:職権で取り消され許認可された場合は、取消訴訟の訴えの利益が失われる為、却下されることになります
5:判決には関係行政庁を拘束する力があり、処分庁は同じ理由で再度同じ処分をすることはできませんが、判例で示されていない理由で再度申請拒否処分をすることが出来ます。

問14

行政事件訴訟法3条3項による「裁決の取消の訴え」に関し妥当なものはどれ

1 「裁決の取消の訴え」の対象とされている裁決は、「義務付けの訴え」や「差止めの訴え」の対象ともされている

2「裁決の取消の訴え」について、原告適格が認められるのは、裁決の相手方である審査請求人に限られ、それ以外の者には原告適格は認められない

3 「裁決の取消の訴え」は審査請求の対象とされた原処分に対する「処分の取消の訴え」の提起が許されない場合に限り提起が認められる

4 「裁決の取消の訴え」については、審査請求に対する裁決のみが対象とされており、再調査の請求に対する決定は、「処分の取消の訴え」の対象とされている

5 「裁決の取消の訴え」については、「処分の取消の訴え」における執行停止の規定は準用されていないから、裁決について執行停止を求める事は出来ない

14の正解はここ
1。義務付けの訴えや差し止めの訴えは裁決も対象とされます
2:裁決の取消を求めるにつき法律上の利益を有する者に限り提起できます。審査請求人に限られません
3:審査請求に対する行政庁の裁決に対してその取り消しを求める訴訟が「裁決の取消の訴え」ですので、処分の取消の訴えの提起が許されない場合に限ることはないです
4:再調査の請求に対する決定も裁決の取消の訴えの対象です。
5:処分の取消の訴えにおける執行停止の規定は裁決の取消の訴えについても準用されます。

問15

行政事件訴訟法の定める仮の差止めに関する記述で妥当なのはどれ

1 仮の差止めの申立てについては、執行停止における内閣総理大臣の異議の規定は準用されていない

2 仮の差止めの申立てがなされた場合、行政庁は仮の差止めの可否に関する決定がなされるまで、対象とされた処分をすることができない

3 仮の差止めは、処分がされることにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避ける為他に適当な方法がない時に限り、申立てによりまたは職権で裁判所がこれを命ずる

4 仮の差止めは緊急の必要があるときは、本案訴訟である差止めの訴えの提起に先立って申し立てることが出来る

5 仮の差止めの訴えについては、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、裁判所はこれを命ずる決定をすることができない

15の正解はここ
5
1:執行停止における内閣総理大臣の制度は仮の差止めについても準用されています
2:仮の差止めの決定には行政庁に対する拘束力がありますが、「決定前」であれば、行政庁が対象とされた処分をすることが出来ます。(仮の差止めの申立がなされた場合が誤り)
3:処分がされることにより「償う事のできない損害を避ける為緊急の必要がある時」に申立てにより裁判所が仮の差止めをできます。「重大な損害」ではなく、また、職権ではできません
4:差し止めの提起があった場合にできるもので、それに先立って仮の差止めだけを申立ては出来ません