耳で覚える!行政書士 憲法4 テキスト
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問1

人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関し妥当でないのはどれか

1 わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ

2 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する

3 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる

4 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ

5 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもはその学習要求を充足する為の教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。

1の正解はここ
4
天皇には民事裁判権が及びません。私法上の行為をなすことがあるが、その効力は民法その他実体私法の定めるところによりますが、このことから直ちに、天皇も民事裁判権に服すると解すことはできない。です。

問2

「ため池の堤塘を使用する財産上の権利を有するものは、ため池の破損・決壊等に因る災害を未然に防止する為、その財産権の行使を殆ど全面的に禁止される」となった事件の論旨として妥当でないのはどれ

1 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤塘を使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである

2 ため池の破壊・損壊の原因となるため池の堤塘の使用行為は、憲法でも民法でも適法な財産権の行使として保障されていない

3 憲法・民法の保障する財産権の行使の埒外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものといえない

4 事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難又は不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易であり適切である

5 憲法29条2項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される

2の正解はここ
5
財産権について、公共の福祉に適合するようこれを定める。としているだけで、内容を条例で定めることを禁じてはいません。

問3

内閣に関し妥当なのはどれ

1 内閣総理大臣は、国会の同意を得て国務大臣を任命するが、その過半数は国会議員でなければならない

2 憲法は明文で、閣議により内閣が職務を行うべきことを定めているが、閣議の意思決定方法については規定しておらず、慣例により全員一致で閣議決定が行われてきた

3 内閣の円滑な職務遂行を保障するために、憲法は明文で、国務大臣はその在任中逮捕されず、また在任中は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないと規定した

4 法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする

5 内閣の存立は衆議院の信任に依存するので、内閣は行政権の行使について、参議院に対しては連帯責任を負わない

3の正解はここ
4
1:内閣総理大臣は国務大臣を任命します。この任命権は内閣総理大臣の専権に属するので国会の同意は必要ありません
2:内閣がその職権を行うのは閣議によるものとする。という規定はありますが明文化されていません。また、全員一致については、内閣法では定められておらず、慣行により全員一致での閣議決定が行われています
3:国務大臣は、在任中は内閣総理大臣の同意がなければ追訴されませんが、逮捕に関しては明文化されていません
5:内閣は、行政権の行使については、国会に対して連帯して責任を負います

問4

憲法の概念に関し妥当なものはどれ

1 通常の法律より改正手続きが困難な憲法を硬性憲法、法律と同等の手続で改正できる憲法を軟性憲法という。ドイツやフランスの場合のように頻繁に改正される憲法は、法律より改正が困難であっても軟性憲法に分類される

2 憲法の定義をめぐっては、成文の憲法典という法形式だけでなく、国家統治の基本形態など規定内容に着目する場合があり、後者は実質的意味の憲法と呼ばれる。実質的意味の憲法は、成文の憲法典以外の型式をとって存在することもある

3 憲法は公権力担当者を拘束する規範であると同時に、主権者が自らを拘束する規範でもある。日本国憲法においても、公務員のみならず国民もまた、憲法を尊重し養護する義務を負うと明文で規定されている

4 憲法には最高法規として、国内の法秩序において最上位の強い効力が認められることも多い。日本国憲法も最高法規としての性格を備えるが、判例によれば、国際協調主義がとられているため、条約は国内法として憲法より強い効力を有する

5 憲法には通常前文が付されるが、その内容・性格は憲法によって様々に異なっている。日本国憲法の前文の場合は、政治的宣言にすぎず、法規範性を有しないと一般に解されている

4の正解はここ
2。成文の憲法典の方が形式的意味の憲法、基本形態など規定内容に着目する場合の方を実質的意味の憲法と呼びます。実質的意味の憲法は成文憲法典以外の型式で存在する場合もあります
1:憲法改正手続きが通常の法律より困難な憲法を硬性憲法といい、法改正手続きが通常の法律と同じ憲法を軟性憲法といいます。法律より改正が困難であれば硬性憲法に分類されます。
3:憲法は主権者を自ら拘束する規範ではないです。また、憲法を尊重し養護する義務を負うと明文規定されているのは、天皇・国務大臣・国会議員・裁判官・その他公務員です。国民は憲法尊重養護義務はありません。
4:憲法は最高法規として、国内法秩序において最上位の強い効力があります。これは、その条規に反する法律・命令・詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部はその効力を有しない。と規定しています
5:日本国憲法の前文は、憲法の一部を成し本文と同じ法規範性を有すると解されます

問5

次のうち妥当なものはどれ

1 高等学校教諭に対し、卒業式に国歌斉唱の際、国旗に向かって起立し国家を斉唱させることを命ずる学校長の職務命令は、思想・良心の自由を侵すものとして19条に違反する

2 放送局に対する裁判所の撮影フィルムの提出命令は、報道機関の取材の自由を侵害し、将来の取材の自由が妨げられるおそれがあり、憲法21条に反する

3 信仰上の理由により、剣道実技の履修を拒んだ生徒に対し校長が出した退学処分は、裁量権の範囲を超える違法なものである

4 靖国神社へ県が玉串料を奉納することは、慣習的儀礼であり宗教的活動には当たらない

5 市営住宅条例で、入居者が暴力団員であることが判明した場合、市営住宅の明渡を請求することは、その暴力団員の生存権や基本的人権を侵害する為、憲法に違反する

5の正解はここ
3
1:このような間接的な制約が許容されるか否かは、職務命令の目的及び内容ならびに制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に較量し、当該職務命令の必要性および合理性が認められるか否かで判断すべきであり、本件命令は違反するとは言えない。とあります
2:本件提出命令が取材の自由を侵害するかはフィルムが証拠として使用されることにより報道機関が被る不利益と公正な刑事裁判の実現要請を比較>
5の正解はここ
3
1:このような間接的な制約が許容されるか否かは、職務命令の目的及び内容ならびに制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に較量し、当該職務命令の必要性および合理性が認められるか否かで判断すべきであり、本件命令は違反するとは言えない。とあります
2:本件提出命令が取材の自由を侵害するかはフィルムが証拠として使用されることにより報道機関が被る不利益と公正な刑事裁判の実現要請を比較較量して決すべきであり、報道機関が被る不利益は報道の自由そのものではなく、将来の取材の自由が妨げられるおそれがあるにとどまるので、本件は取材の自由を侵害しない。とあります。
4:玉串料を奉納する事は一般的に慣習的とはいえず、また、その目的が宗教的意義をもち、その効果が特定の宗教に対する援助・助長・促進となるため「宗教的活動」にあたり、公金の支出の禁止に違反します。
5:入居者が暴力団員である事が判明した場合に住宅の明渡を請求する事は、公共の福祉による必要かつ合理的なものであるのが明らかであり違反しない。とあります

問6

表現の自由の規制に関し妥当でないのはどれ?

1 表現の内容規制とは、ある表現が伝達しようとするメッセージを理由とした規制であり、政府の転覆を煽動する文書の禁止・国家機密に属する情報の公表の禁止などがその例である

2 表現の内容を理由とした規制であっても、高い価値の表現でないことを理由に通常の内容規制よりも緩やかに審査され、規制が許されるべきだとされる場合があり、営利を目的とした表現や、人種的憎悪をあおる表現などがその例である

3 表現内容中立性とは、表現が伝達しようとするメッセージの内容には直接関係なく行われる規制であり、学校近くでの騒音の規制・一定の選挙活動の制限などがその例である

4 表現行為を事前に規制する事は原則として許されないとされ、検閲は判例によれば絶対的に禁じられるが、裁判所による表現行為の差し止めは厳格な要件のもとで許容される場合がある

5 表現行為の規制には明確性が求められるため、表現行為を規制する刑罰法規の法文が漠然不明確であったり、過度に広汎であったりする場合には、そうした文言の射程を限定的に解釈し合憲とすることは判例によれば許されない

6の正解はここ
5
漠然不明確や過度に広汎である場合、原則、法規自体が違憲無効となります。ただし、規制の対象とそうでないものの区別が明確で、かつ合憲的に規制し得るもののみが規制対象となることが明らかな場合、一般国民の理解において、具体的場合にその表現物が規制対象となるかどうかの判断が出来る基準をその規定から読み取ることが出来る場合、限定的に解釈し合憲とするのが許される。とあります

問7

最高裁判所判決の一節で当てはまる語句を選べ

憲法二十一条二項前段は、「検閲はこれをしてはならない」と設定する。憲法が表現の自由につき、広くこれを保障する旨の一般的規定を同条一項におきながら、別に検閲の禁止についてかのような特別の規定を設けたのは、検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることに鑑み、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容をも認めない趣旨を明らかにしたものと解すべきである。けだし、諸外国においても、表現を事前に規制する検閲の制度により思想表現の自由が著しく制限されたという歴史的経験があり、また、我が国においても、旧憲法下における出版法・新聞紙法により、文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて【ア】な検閲が行われたほか、映画法により映画フィルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われるなど、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至った経験を有するのであつて、憲法二十一条二項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の【イ】を宣言した趣旨と解されるのである。
そして、前記のような沿革に基づき、右の解釈を前提として考究すると、憲法二十一条二項にいう「検閲」とは、【ウ】が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき【エ】に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止する事をその特質として備えるものを指すと解すべきである。

1 行政権 2 絶対的禁止 3 例外的 4 否定的体験 5 外形的
6 原則的禁止 7 形式的 8 制限的適用 9 抜き打ち的 10 積極的廃止
11 実質的 12 個別的具体的 13 警察権 14 法律的留保的 15 国家
16 網羅的一般的 17 司法権 18 裁量的 19 公権力 20 排他的

7の正解はここ
ア 11-実質的 イ 2-絶対的禁止 ウ 1-行政権 エ 16-網羅的一般的

問8

NHKが原告として受信料の支払等を求めた事件の一節で当てはまる語句を選べ

放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきである。放送法が、「放送が国民に最大限普及されて、その効用をもたらすことを保障する事」「放送の不偏不党、真実及び【ア】を保障する事によって、放送による表現の自由を確保する事」及び「放送に携わる全ての者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」という原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的として(1条)制定されたのは上記のような放送の意義を反映したものにほかならない。
 上記の目的を実現する為、放送法は、・・・旧法下において社団法人日本放送協会のみが行っていた放送事業について、公共放送事業者と民間放送事業者とが、各々その長所を発揮するとともに、互いに他を啓もうし、各々その欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受することができるように図るべく【イ】を採ることとしたものである。そして同法は【イ】の一方を担う公共放送事業者として原告を設立することとし、その目的・業務・運営体制等を前記のように定め、原告を民主的かつ【ウ】的な基盤に基づきつつ【ア】的に運営される事業体として性格付け、これに公共の福祉のための放送を行わせることとしたものである。
放送法が・・・原告につき【エ】を目的として業務を行うこと及び他人の営業に関する広告の放送をすることを禁止し、・・・事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、原告が公共的性格を有することをその財源の面から特徴づけるものである

1 国営放送制 2 党利党略 3 政府広報 4 特殊利益 5 良心
6 自由競争体制 7 品位 8 誠実 9 自律 10 二本立て体制
11 多元 12 国際 13 娯楽 14 全国 15 地域 16 部分規制
17 集中 18 免許制 19 自主管理 20 営利

8の正解はここ
ア 9-自立 イ 10-二本立て体制 ウ 11-多元 エ 20-営利

問9

空欄に当てはまる語句を選べ

その保証の根拠に照らして考えるならば、表現の自由といつても、そこにやはり一定の限界があることを否定し難い。【ア】が真実に反する場合、そのすべての言論を保護する必要性・有益性のないこともまた認めざるをえないのである。特にその【ア】が真実に反するものであって、他人の【イ】としての名誉を侵害・毀損する場合においては、【イ】の保護の観点からもこの点の考慮が要請されるわけである。私はその限界は以下の所にあると考える。すなわち、表現の事前規制は、事後規制の場合に比して格段の慎重さが求められるのであり、名誉の侵害・毀損の被害者が公務員、公選による公職の候補者等の【ウ】人物であつて、その【ア】が【ウ】問題に関する場合には、表現にかかる事実が真実に反していてもたやすく規制の対象とすべきではない。しかし、その表現行為がいわゆる【エ】をもつてされた場合、換言すれば、表現に係る事実が真実に反し虚偽であることを知りながらその行為に及んだとき又は虚偽であるか否かを無謀にも無視して表現行為に踏み切った場合には、表現の自由の優越的補償は後退し、その保護を主張しえないものと考える。けだし、右の場合には、故意に虚偽の情報を流すか、【ア】の真実性に無関心であつたものというべく、表現の自由の優越を保障した憲法二十一条の根拠に鑑み、かかる表現行為を保護する必要性・有益性はないと考えられるからである

1 差別的表現 2 不公平な論評 3 私的領域 4 相当な誤信 5 公益的
6 社会的 7 人物評価 8 自己決定権 9 公的 10 誹謗中傷 11 表現手段 12 ダブルスタンダート 13 公的領域 14 公知の 15 自己実現
16 明白かつ現在の危険 17 人格的 18 論争的 19 現実の悪意 20 表現内容

9の正解はここ
ア 20-表現内容 イ 17-人格権 ウ 9-公的 エ 19-現実の悪意

問10

公務員の政治的自由に関する文章の空欄にあてはまる語句を選択肢から選べ

国家公務員法102条1項は、公務員の職務の遂行の政治的【ア】性を保持する事によって行政の【ア】的運営を確保した、これに対する国民の信頼を維持する事を目的とするものと解される
他方、国民は憲法上、表現の自由(21条1項)としての政治活動の自由を保障されており、この精神的自由は立憲民主政の政治過程にとって不可欠の基本的人権であって、民主主義社会を基礎付ける重要な権利であることに鑑みると、上記の目的に基づく法令による公務員に対する政治的行為の禁止は、国民としての政治活動の自由に対する必要やむをえない限度にその範囲が画されるべきものである。
このような国家公務員法102条1項の文言・趣旨・目的や規制される政治活動の自由の重要性に加え、同項の規定が刑罰法規の構成要件となることを考慮すると、同項にいう「政治的行為」とは、公務員の職務の遂行の政治的【ア】性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして【イ】的に認められる者を指し、同項はそのような行為の類型の具体的な定めを人事院規則に委任したものと解するのが相当である・・・本件配布行為は【ウ】的地位になく、その職務の内容や権限に【エ】の余地のない公務員によって、職務と全く無関係に、公務員により組織される団体の活動としての性格もなく行われたものであり、公務員による行為と認識し得る態様で行われたものでもないから、公務員の職務の遂行の政治的【ア】性を損なうおそれが【イ】的に認められるものとはいえない。そうすると本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである

1 従属 2 平等 3 合法 4 穏健 5 裁量 6 実質 7 潜在 8 顕在
9 抽象 10 一般 11 権力 12 現業 13 経営者 14 指導者
15 管理職 16 違法 17 濫用 18 逸脱 19 中立 20 強制

10の正解はここ
ア 19-中立 イ 6-実質 ウ 15-管理職 エ 5-裁量