
この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする
憲法の改正は国会が発議するが、そのためには、各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要とされる
憲法改正は国会が発議するが、両議院の意見が一致しない場合には、衆議院の議決が国会の発議となる
各議員の総議員の3分の2以上の賛成により、特別の憲法制定議会が招集され、そこにおける議決をもって憲法改正草案を策定する
憲法の改正について国民の承認を得るには、特別の国民投票においてその3分の2以上の賛成を得ることが必要である
憲法の改正について国民の承認が得られた場合、内閣総理大臣は、直ちにこれを公布しなくてはならない
地方公共団体は、その事務を処理し、及び行政を執行する権能を有するが、その財産を管理する権能を有しない
地方公共団体はの長は、法律の範囲内で条例を制定することができる
条例制定権は、日本国憲法により保障されているのであるから、条例の制定手続やその規定事項は、法律によって制約されるものではない
地方公共団体が制定する条例は、法令に違反することはできないから、個別の法律の根拠がない限り、住民の自由及び権利を制限する事は出来ない
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、国会の議決だけでは制定できず、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければならない
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、その地方公共団体の議会の同意を得なければ、国会はこれを制定することができない
国会は、国の唯一の立法機関であるが、地方公共団体も法律の範囲内で条例を制定することができる
大日本帝国憲法には、地方自治について規定した条項が設けられていたが、日本国憲法は、更に地方自治に制度的保障を与えた。
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は地方自治の本旨に基づいて、法律で定める
地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する
地方公共団体の長、その議会の議員および条例の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する
地方公共団体の議会の議員は、間接選挙によって選ぶことができる
地方公共団体の長及びその議会の議員はその地方公共団体の住民が直接選挙する
特別地方公共団体である特別区は、その長を住民が直接選挙できる地方公共団体と認められる、とするのが最高裁判所の判例である
地方公共団体はその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有する
国有財産を特定の宗教団体のためにのみ利用させるには、国会の議決に基づかなければならない
公金は、公の支配に属しない慈善、教育又は博愛の事業に対し支出してはならない
会計検査院は、毎年、国の収入・支出の決算を検査し、内閣は次の年度に、その検査報告とともに、決算を国会に提出しなければならない
会計検査院は、毎年国の収入、支出の決算を検査し、次の年度に決算の検査報告とともに、決算を国会に提出しなければならない
決算は、予算の場合と同様に、先に衆議院に提出しなければならない
会計検査院は、国会及び国民に対し定期的に国の財政状況を報告しなければならない
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年2回、国の財政状況を報告しなければならない
予見し難い予算の不足に充てる為、予算には予備費を計上しなければならない
予見し難い予算の不足に充てる為、内閣は国会の議決に基づき予備費を設けることができるが、すべての予備費の支出について事後に国会の承認が必要である
国会の議決を得た予備費の支出は内閣の責任においてなされ、内閣は、すべての予備費の支出について、事後に国会に報告する義務を負う
予備費の支出について、事後に国会の承諾を得られない場合でも、すでになされた支出は有効である
予算に基づかない国の支出はすべて無効である
宗教上の組織または団体の使用、便益又は維持のために、公金その他の公の財産を支出し、またはその利用に供してはならないが、公の支配に属しない慈善事業に対しては、公金その他の公の財産を支出し、またはその利用に供することができる
予算の支出を伴う法律案が国会に提出される前に、予算のみを国会に提出する事は認められない
国会議員にも予算を作成し、国会へ提出する権利がある
予算の提出権は内閣に専属しているので、国会議員は予算を伴う法律案を発議することはできない
予算は一会計年度の間のみ通用し、数年度にわたって支出されることは許されず、例外は認められない
予算の提出権は内閣にのみ認められているので、国会は予算を修正することができず、一括して承認するか不承認とするかについて議決を行う
予算の公布は、憲法改正・法律・政令・条約の公布と同様に、憲法上天皇の国事行為とされている
内閣は、災害等緊急の必要がある時は、予算によることなく、政令によって財政上必要な処分をすることができる
新たに租税を課すには、法律または法律の定める条件によることを必要とする
市町村が行う国民健康保険は、保険料を徴収する方式のものであっても強制加入とされ、保険料が強制徴収され、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するものであるから、租税法律主義の趣旨が及ぶ
わが国は租税法律主義をとっているので、地方公共団体は、地方税について条例によりその税目・税率等を定めることはできない
法律で国費の支出を要する行為が定められている場合であっても、それらの行為に伴って国費を支出するには、国会の議決に基づくことを必要とする
国費の支出は国会の議決に基づくことを要するが、国による債務の負担は直ちに支出を伴うものではないので、必ずしも国会の議決に基づく必要はない
憲法第81条の列挙事項に挙げられていないので、日本の裁判所は条約を違憲審査の対象とすることはできない
「司法権」、「規則制定権」、「法令の憲法適合性の審査権」、「国会議員の資格争訟の裁判権」、「下級裁判所裁判官の指名権」のうち、日本国憲法の条文およびその解釈によって導かれる「最高裁判所の権能」として誤っているものは「国会議員の資格争訟の裁判権」である
裁判の判決は、いかなる場合も公開法廷で行わなければならない
政治犯罪に関する事件については、裁判官の全員一致で決した場合、非公開で対審を行うことができる
裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受け、在任中これを減額する事はできないと定められている
最高裁判所は、裁判所の内部規律・司法事務処理に関し規則を制定する事ができるが、訴訟手続きや弁護士に関する定めは法律事項であるから、規則で定める事は出来ない
最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を下級裁判所に委任することができる
最高裁判所は、法令が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である
最高裁判所は、一切の法律、命令等に違憲審査権を有するが、下級裁判所はこの権限を有しない
わが裁判所が現行の制度上与えられているのは司法権を行う権限であり、そして司法権が発動する為には具体的な争訟事件が提起されることを必要とする。我が裁判所は具体的な争訟事件が提供されないのに将来を予想して憲法及びその他の法律命令の解釈に対し存在する疑義論争に関し抽象的な判断を下すごとき権限を行い得るものではない
裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官の任期は10年であり、仮に再任されたとしても、法律の定める年齢に達した時は退官するものとされている
下級裁判所の裁判官について、国民審査の制度がなく、任期が20年と定められているが、任期満了の際に再任されることができる
すべての裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される
最高裁判所の裁判官は、国民審査による場合を除いて、裁判により心身の故障のために職務を執る事ができないと決定された場合及び公の弾劾による場合以外は罷免されることはない
最高裁判所の裁判官は、公の弾劾により罷免されるが、下級裁判所の裁判官には、弾劾制度が適用されない
裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行う事はできない
最高裁判所の裁判官の報酬は、在任中これを減額することができる
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、そのすべての裁判官は内閣が任命する
すべての裁判官が、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、国民審査に付される
最高裁判所裁判官の任命は、その任命後初めて行われる参議院議員の通常選挙の際に国民審査に付される
最高裁判所の裁判官の国民審査において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は罷免される
最高裁判所裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する
下級裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官するが、最高裁判所裁判官には定年はない
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿に基づいて内閣が任命する
政党の結社としての自律性からすると、政党の党員に対する処分は原則として自律的運営にゆだねるべきであり、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限りは、裁判所の審判は及ばない
内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である
国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、それが法律上の争訟になり、有効無効の判断が法律上可能であっても、司法審査の対象とならない
国会議員の立法行為は、憲法の文言に明白に違反しているにもかかわらず立法を行うというような例外的な場合を除き、国家賠償法上は違法評価を受けない
地方公共団体の議会がその議員に対して行った除名処分は、議会の自律権を尊重すべきであるから、裁判所による審査の対象にはならない
大学による単位授与行為は、純然たる大学内部の問題として大学の自律的判断にゆだねられるべきものであり、一般市民法秩序と直接の関係を有すると認めるにたる特段の事情がない限り、裁判所の審査は及ばない
国公立大学が専攻科修了の認定をしないことは、一般市民としての学生が国公立大学の利用を拒否する事にほかならず、一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであるから、専攻科修了の認定、不認定に関する争いは司法審査の対象となる
大学は、国公立であると私立であるとを問わず、自律的な法規範を有する特殊な部分社会を形成しているから、大学における法律的の紛争は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的・自律的な解決に委ねられる
具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争であっても、宗教上の教義に関する判断などが必要で、事柄の性質上法令の適用により解決するのに適しないものは、裁判所の審判となりえない
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所並びに特別裁判所に属する
司法権とは、民事事件及び刑事事件の裁判権にとどまらず、行政事件の裁判権をも含むものである
裁判官弾劾裁判所及び、家庭裁判所は特別裁判所である
行政機関は、終審として裁判を行うことができない
法律が、国会の両議院によって議決を経たものとされ、適法な手続によって公布されている場合、裁判所は両院の自主性を尊重して、法律制定の際の議事手続の瑕疵について審理しその有効無効を判断するべきではない
地方議会の自律権は、議員の自律権とは異なり法律上認められたものにすぎないので、裁判所は除名に限らず地方議会による議員への懲罰について広く審査を行うことができる
内閣総理大臣は、閣議の決定を経て国務大臣を罷免することができるが、国会において国務大臣の不信任の決議が可決された場合は、閣議の決定を経ずに国務大臣を罷免することができる
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、いつでも議案について発言する為議員に出席することができる
内閣総理大臣は、答弁又は説明のため出席を求められた時は、議院に出席しなければならない
政令は憲法73条6号に基づき、内閣総理大臣が制定するもので、閣議決定を経て成立し、天皇によって公布される
内閣総理大臣の報酬、在任中、これを減額することができない
内閣総理大臣が行政各部に対し指揮監督権を行使する事には、閣議にかけて決定した方針が存在することを要するが、閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても、内閣総理大臣は、少なくとも内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有する
内閣総理大臣は、その他の国務大臣と平等な関係にあり、慣習として内閣を代表している
内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出する
法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする
国務大臣はその在任中、内閣の同意がなければ訴追されない
条約の締結は、内閣の事務に属し、国会の承認が必要でない
内閣は、憲法及び法律の規定を実施する為に政令及び省令を制定する
参議院の緊急集会を求めることは、内閣の権能である
内閣は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求がなければ、臨時会の招集を決定することができない
いずれかの議院の総議員の5分の1以上の要求があれば、内閣は、臨時会の召集を決定しなければならない