耳で覚える!行政書士 テキスト 商法3
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問1

商人または商行為に関し誤りの組み合わせはどれ

ア 商行為の委任による代理権は本人の死亡によって消滅する

イ 商人がその営業の範囲内において他人の為に行為をしたときは、相当な報酬を請求することが出来る

ウ 数人の者がその一人または全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は各自が連帯して負担する

エ 保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるときは、その債務は当該債務者および保証人が連帯して負担する

オ 自己の営業の範囲内で、無報酬で寄託を受けた商人は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う

1の正解はここ
ア・オが誤り
ア:商行為の委任による代理権は本人の死亡によっては消滅しません
オ:商人が寄託を受けた場合は無報酬でも「善良な管理者の注意をもって保管しなければならない」です。「自己の財産に対するのと同一の注意をもって」ではありません

問2

株式会社の設立における発起人等に関し誤りの組み合わせはどれ

ア 株式会社の設立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載または記録された価額に著しく不足する時は、発起人および設立時取締役は、当該株式会社に対し連帯して当該不足額を支払う義務を負い、この義務は総株主の同意によっても免除する事は出来ない

イ 発起人は出資の履行において金銭の払い込みを仮装した場合には、払い込みを仮装した出資に係る金銭の全額を支払う義務を負い、この義務は総株主の同意によっても免除する事は出来ない

ウ 発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠った時は、当該株式会社に対しこれによって生じた損害を賠償する責任を負い、この責任は総株主の同意がなければ免除することはできない

エ 発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う

オ 株式会社が成立しなかったときは、発起人は連帯して株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する

2の正解はここ
ア・イが誤り
ア:現物出資の価額が定款に記載、記録された価額に著しく不足するときは、発起人および設立時取締役は連帯して不足額を支払う義務を負いますが、総株主の同意があれば免除できます
イ:金銭払い込みを仮装した場合、全額を支払う義務を負いますが、総株主の同意があれば免除できます

問3

譲渡制限株式に関し誤りはどれ

1 株式会社は定款において、その発行する全部の株式の内容として、または種類株式の内容として、譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨を定めることが出来る

2 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を当該株式会社以外の他人に譲渡そうとするときは、当該株式会社に対し当該他人が当該譲渡制限株式を取得する事について承認するか否かを決定する事を請求することが出来る

3 譲渡制限株式を取得した者は、当該株式会社に対し当該譲渡制限株式を取得したことについて承認するか否かの決定することを請求することが出来るが、この請求は利害関係人の利益を害するおそれがない一定の場合を除き、その取得した譲渡制限株式の株主として株主名簿に記載もしくは記録されたものまたはその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない

4 株式会社が譲渡制限株式の譲渡の承認をするには、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の特別決議によらなければならない

5 株式会社は、相続その他の一般承継によって当該株式会社の発行した譲渡制限株式を取得したものに対し、当該譲渡制限株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることが出来る

3の正解はここ
4
譲渡の承認は、定款に別段の定めがある場合を除き「株主総会の普通決議」で、取締役会設置会社は「取締役会の決議」でよらなければなりません

問4

社外取締役に関し誤りはどれか

1 社外取締役は、当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他使用人を兼任することが出来ない

2 監査等委員会設置会社において、監査等委員である取締役の過半数は社外取締役でなければならない

3 公開会社であり、かつ大会社である監査役会設置会は、1名以上の社外取締役を選任しなければならない

4 株式会社が特別取締役を選定する場合、当該株式会社は特別取締役による議決の定めがある旨、選定された特別取締役の指名および当該株式会社の取締役のうち社外取締役であるものについては社外取締役である旨を登記しなければならない

5 株式会社は、社外取締役の当該株式会社に対する責任について、社外取締役が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、当該社外取締役が負う責任の限度額をあらかじめ定める旨の契約を締結することが出来る旨を定款で定めることが出来る

4の正解はここ
3
公開会社であり大会社である監査役会設置会社で、上場会社は社外取締役を置かなければなりませんが、上場会社でなければ社外取締役を置く必要はありません。

問5

剰余金の配当に関し正しいのはどれ

1 株式会社は、剰余金の配当請求権および残余財産分配請求権の全部を株主に与えない旨の定款の定めを設けることが出来る

2 株式会社は分配可能額の全部につき株主に対して、剰余金の配当を支払わなければならない

3 株式会社より分配可能額を超える金銭の交付を受けた株主がその事実につき善意である場合には、当該株主は当該株式会社に対し、交付を受けた金銭を支払う義務を負わない

4 株式会社は、当該株式会社の株主および当該株式会社に対し、剰余金の配当をすることができる

5 株式会社は配当財産として、金銭以外に当該株式会社の株式、社債、または新株予約権を株主に交付する事は出来ない

5の正解はここ
5。
1:株主に剰余金の配当を受ける権利および残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない定款は効力を有しません
2:株主に余剰金の配当を行う場合分配可能額を超えてはいけません。全部を配当しなければならないわけではないです
3:善意であるかに関わらず、分配可能額を超える金銭の交付を受けた株主は、その帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負います
4:株主に対して配当は出来ますが、株式会社に対しては配当は出来ません

問6

発行済株式の総数に関し正しいのはどれ

1 発行済株式の総数は会社が反対株主の株式売買請求に応じることにより減少する

2 発行済株式の総数は会社が自己株式を消却する事により減少する

3 発行済株式の総数は会社が単元株式数を定款に定めることにより減少する

4 発行済株式の総数は会社が自己株式を処分することにより増加する

5 発行済株式の総数は会社が募集新株予約権を発行する事により増加する

6の正解はここ
2
1:反対株主の株式買取請求に応じれば、自己株式数が増えるだけで総数は変わりません
3:単元株式数を定款に定める事で一定数の株式のまとまりが一単元の株式となるだけで、総数は変わりません。
4:自己株式を処分すれば自己株式が減るだけで総数は変わりません。(自己株式を売却する事です)
5:新株予約権は株式ではないので総数は変わりません。新株予約権の数が増加するだけです

問7

株式会社の取締役の報酬等に関し誤りの組み合わせはどれ

ア 取締役の報酬等は、当該株式会社の分配可能額の中から剰余金の処分として支給され、分配可能額がない場合報酬等を支給する事は出来ない

イ 指名委員会設置会社でない株式会社において、取締役の報酬等として当該株式会社の株式又は新株予約権を取締役に付与する場合には、取締役の報酬等に関する定款の定めも株主総会の決議も要しない

ウ 監査等委員会設置会社において、監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において監査等委員以外の取締役の報酬等について、監査等委員会の意見を述べることが出来る

エ 指名委員会等設置会社において、報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならず、当該方針に従って報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容を決定する

オ 監査等委員会設置会社において、監査等委員である取締役は株主総会において、監査等委員である取締役の報酬について意見を述べることが出来る

7の正解はここ
ア・イが誤り
ア:報酬は職務執行の対価として受けるもので、剰余金の処分として支給されるものではなく、定款の定めまたは株主総会決議により支払われます
イ:取締役の報酬等で当該株式会社の募集株式または募集新株予約権を取締役に付与する場合、定款に当該事項を定めていない時は株主総会の決議で定めます。

問8

全ての株式会社に共通する内容で誤りの組み合わせはどれ

ア 株主の責任上限はその有する株式の引受価額である
イ 株主はその有する株式を譲渡することができる
ウ 募集株式の発行に係る募集事項は、株主総会の決議により決定する
エ 株主総会はその決議によって取締役を1人以上選任する
オ 株式会社の最低資本金は300万円である

8の正解はここ
ウ・オが誤り
ウ:募集事項の決定について、非公開会社では原則、株主総会特別決議によりますが、公開会社では有利発行の場合以外は取締役会の決議によります。(有利発行:株主以外の第三者に有利な価格で新株を発行する手続き)
オ:会社法により最低資本金規制がなくなり1円から会社設立ができます。

問9

商法の適用に関し誤りはどれ

1 商人の営業・商行為その他商事について、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、商法の定めるところによる

2 商事に関し商法に定めがない事項については、民法の定めるところにより、民法に定めがない時は商慣習に従う

3 公法人が行う商行為については、法令に別段の定めがある場合を除き商法の定めるところによる

4 当事者の一方のために商行為となる行為については商法をその双方に適用する

5 当事者の一方が2人以上ある場合において、その1人のために商行為となる場合については商法をその全員に適用する

9の正解はここ
2
商法に定めがない場合は商慣習に従い、商慣習がない場合は民法に従います

問10

株式会社の設立における出資の履行等に関し妥当でない組み合わせはどれ

ア 株式会社の定款には、株式会社の設立に際し出資される財産の額またはその最低額を記載又は記録しなければならない

イ 発起人は設立時発行株式の引受後遅滞なく、その引き受けた株式につきその出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならないが、発起人全員の同意があるときは登記・登録その他の権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる

ウ 発起人はその引き受けた設立時発行株式について金銭の払込みを仮装した場合には、仮装した出資に係る金銭の全額を会社に対して支払う義務を負い、この義務は総株主の同意がなければ免除する事ができない

エ 発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は払込みの取扱いをした銀行等に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なる事、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって成立後の株式会社に対抗する事は出来ない

オ 設立時発行株式の株主となる者が払込みをした金銭の額及び給付した財産の額は、その全額を資本金として計上しなければならないが、設立時発行株式の株主となる者の全員の同意がある時に限り、その額の1/2を超えない額を剰余金として計上することが出来る

10の正解はここ
エ・オが誤り
エ:募集設立の場合、発起人は銀行等に対し金銭の保管に関する証明書の交付を請求できますが、発起設立の場合はこの制度はありません。
オ:資本金は1/2を超えない額を「資本金」として計上しないことができ、これには株主の同意は必要ありません。