2021年 行政書士試験 問題一覧
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問1

ア~エに入る語句の組み合わせで正しいのはどれ

そもそも、刑罰は【ア】的に科すべきものであるか(【ア】形論)あるいは【イ】を目的として科すべきものであるか(目的形論)が、いわゆる刑法理論の争いである。【ア】形論すなわち絶対論では、善因あるべきが如く、要因に悪果あるべきは当然とするのである。しかして、刑罰は、国家がこの原理に基づいてその権力を振るうもので、同時にこれによって国家ないし法律の権威が全うされるというのである。
これに対して【イ】論すなわち相対論においては、【イ】の必要に基づきて国家は刑罰を行うというのである。あとい小さな犯罪といえども、それが【ウ】となれば重く罰する必要があろう。たとい重い犯罪といえども、それが偶発的な犯罪であるならば刑の【エ】ということにしてよかろうというのである。

牧野英一「法律における正義と公平」 出典

1応報社会防衛故意犯仮執行
2教育社会防衛累犯執行猶予
3応報国家防衛故意犯仮執行
4教育国家防衛累犯執行猶予
5応報社会防衛累犯執行猶予
問1

1の正解はここ
5

問2

法令の効力に関する記述で妥当なものはどれ

1 法律の内容を一般国民に広く知らせるには、法律の公布から施行まで一定の期間を置くことが必要であるため、公布日から直ちに法律を施行することはできない

2 法律の効力発生日を明確にする必要があるため、公布日と別に必ず施行期日を定めなければならない

3 日本国の法令はその領域内でのみ効力を有し、外国の領域内や公海上においては、日本国の船舶および航空機内であってもその効力を有しない

4 一般法に優先する特別法が制定され、その後に一般法が改正されて当該特別法が適用される範囲について一般法の規定が改められた場合には、当該改正部分については後法である一般法が優先適用され、当該特別法は効力を失う

5 法律の有効期間を当該法律の中で明確に定めている場合には、原則としてその時期の到来により当該法律の効力は失われる

2の正解はここ
5

問3

インフルエンザウイルス感染症蔓延防止の為、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済)場合に、これまで裁判所や学説において主張された憲法解釈論の例として妥当でないのはどれ

1 予防接種に伴う特別な犠牲については、財産権の特別犠牲に比べて不利に扱う理由はなく、後者の法理を類推適用すべきである

2 予防接種自体は結果として違法だったとしても無過失である場合には、いわゆる谷間の問題であり、立法による解決が必要である

3 予防接種に伴い、公共の利益のために生命・身体に対する特別な犠牲を被った者は、人格的自律権の一環として損失補償を請求できる

4 予防接種による違法な結果について、過失を認定することは原理的に不可能なため、損害賠償を請求できる余地はないというべきである

5 財産権の侵害に対して損失補償が出され得る以上、予防接種が引き起こした生命・身体への侵害についても同様に扱うのは当然である

3の正解はここ
4

問4

捜査とプライバシーに関する記述のうち最高裁判所の判例に照らし妥当なものはどれ

1 個人の容貌や姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、個人の私生活上の自由の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を認める事は出来ない

2 憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜査および押収を受けることのない権利を定めるが、その保証対象には住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない権利が含まれる

3 電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性が認められれば、電話傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な場合であっても、これを行う事が憲法上広く許容される

4 速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容貌を写真撮影する事は憲法上許容されるが、運転者の近くにいる為除外できないことを理由としてであっても、同乗者の容貌まで撮影する事は許されない

5 GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手段は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものであるが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない

4の正解はここ
2

問5

地方公共団体がその土地を神社の敷地として無償で提供する事の合憲性に関連して、最高裁判所判決で考慮要素とされた例として妥当でないものはどれ

1 国または地方公共団体が公有地を無償で宗教的施設の敷地として提供する行為は、一般に、当該宗教的施設を設置する宗教団体等に対する便宜の提供として、憲法89条との抵触が問題となる行為であるといわなければならない

2 一般的には宗教的施設としての性格を有する施設であっても、同時に歴史的、文化財的な保護の対象となったり、観光資源、国際親善、地域の親睦の場としての意義を有するなど、文化的、社会的な価値に着目して国公有地に設置されている場合もあり得る

3 日本では、多くの国民に宗教的意識の雑居性が認められ、国民の宗教的関心が必ずしも高いとは言えない一方、神社神道には、祭祀儀礼に専念し、他の宗教にみられる積極的な布教・伝道などの対外活動をほとんど行わないという特色がみられる

4 明治初期以来、一定の社寺領を国等に上知させ、官有地に編入しまたは寄附により受け入れるなどの施策が広く採られたこともあって、国公有地が無償で社寺等の敷地として供される事例が多数生じており、これが解消されないまま残存している例もある

5 当該神社を管理する氏子集団が、宗教的行事等を行うことを主たる目的とする宗教団体であり、寄附等を集めて当該神社の祭事を行っている場合、憲法89条の「宗教上の組織若しくは団体」に該当するものと解される

5の正解はここ
3

問6

空欄ア・イに入る語句の組み合わせで妥当なものはどれ

憲法を国会が国の「唯一の」立法機関であると解されるのは、憲法自身が定める例外を除き、【ア】かつ【イ】を意味すると解されている

1内閣の法案提出権を否定し
(国会中心立法の原則)
議員立法の活性化を求めること
(国家単独法の原則)
2国権の最高機関は国会であり
(国会中心立法の原則)
内閣の独立命令は禁止されること
(国家単独立法の原則)
3法律は国会の議決のみで成立し
(国会単独立法の原則)
天皇による公布を要しない事
(国会中心立法の原則)
4国会が立法権を独占し
(国会中心立法の原則)
法律は国会の議決のみで成立すること
(国会単独立法の原則)
5国権の最高機関は国会であり
(国会中心立法の原則)
立法権の委任は禁止されること
(国会単独立法の原則)

6の正解はここ
4

問7

空欄に入る語句の組み合わせで正しいのはどれ

国民投票制には種々の方法があるが、普通にこれを【ア】、【イ】及び【ウ】の三種に大別する。【ア】という言葉は、通俗には広く国民投票一般を意味するもののようにも用いられているが、その語の本来の意義は、代表者たる議会が一度議決した事柄を、主権者たる国民が確認または否認して終局的に決定するということであって、国民表決という訳語も必ずしも正確ではない。・・・・・・【ア】が議会の為したことの過誤を是正する手段であるのに対して、【イ】は議会が為さないことの怠慢を補完する方法である。即ち議会が国民の要望を採り上げないで、必要な立法を怠っている場合に、国民自ら法律案を提出し国民の投票によってその可決を決する制度である。・・・【ウ】即ち公務員を国民の投票によって罷免する制度は、元来選挙と表裏を成して人の問題を決定するもので、【エ】を前提とするものであるから、厳密な意味における【オ】ではないけれども、その思想及び制度の歴史に於いて他の国民投票制と形影相伴って発達してきたのみならず、その実行の方法においても、概ね共通しているから、通常やはり国民投票制の一種として取り扱われている。
(河村又介 「新憲法と民主主義」出典)

1レファレンダム国民発案国民許否命令委任プレビシット
2イニシアチブ国民許否不信任投票直接民主制代議制
3レファレンダム国民発案国民許否代議制直接民主制
4イニシアチブ国民許否解職投票プレビシット命令委任
5レファレンダム国民発案解職投票代議制直接民主制

7の正解はここ
5

問8

法の一般原則に関わる最高裁判所の判決に関し妥当なものはどれ

1 地方公共団体が、将来にわたって継続すべき一定内容の施策を決定した場合、その後社会情勢が変動したとしても、当該施策を変更する事は住民や関係者の信頼保護の観点から許されないから、当該施策の変更は、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして、それにより損害を被るものとの関係においては違法となる

2 租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、租税法規に適合する課税処分について、法の一般原則である信義則の法理の適用がなされることはなく、租税法規の適用における納税者の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合であっても、課税処分が信義則の法理に反するものとして違法となる事はない

3 法の一般原則として権利濫用の禁止が行政上の法律関係において例外的に適用されることがあるとしても、その適用は慎重であるべきであるから、町からの申請に基づき知事がなした児童遊園設置認可処分が行政権の著しい濫用によるものであっても、それが地域環境を守るという公益上の要請から生じたものである場合には違法とされることはない

4 地方自治法により、金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利につきその時効消滅については援用を要しないとされているのは、当該権利の性質上、法令に従い適正かつ画一的にこれを処理することが地方公共団体の事務処理上の便宜および住民の平等的取り扱いの理念に資するものであり、当該権利について時効援用の制度を適用する必要がないと判断されたことによるものと解されるから、普通地方公共団体に対する債権に関する消滅時効の主張が信義則に反し許されないとされる場合は、極めて限定されるものというべきである

5 国家公務員の雇傭関係は、私人間の関係とは異なる特別の法律関係において結ばれるものであり、国には公務の管理にあたって公務員の生命および健康等を危険から保護するよう配慮する義務が認められるとしても、それは一般的かつ抽象的なものにとどまるものであって、国家公務員の公務上の死亡について、国は法律に規定された補償等の支給を行う事で足り、それ以上に上記の配慮義務違反に基づく損害賠償義務を負う事はない

8の正解はここ
4

問9

行政裁量に関する記述で最高裁判所の判例に照らし妥当な組み合わせはどれ

ア 教科書検定の審査、判断は、申請図書について内容が学問的に正確であるか、中立・公正であるか、教科の目標等を達成する上で適切であるか、児童、生徒の心身の発達段階に応じて適応しているか、などの観点から行われる学術的、教育的な専門技術的判断であるから、事柄の性質上、文部大臣(当時)の合理的な裁量に委ねられる

イ 国家公務員に対する懲戒処分において、処分要件にかかる処分対象者の行為に関する事実は、平素から庁内の事情に通暁し、配下職員の指揮監督の衝にあたる者が最もよく把握しうるところであるから、懲戒処分の司法審査に当たり、裁判所は懲戒権者が当該処分に当たって行った事実認定に拘束される

ウ 公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病の認定は、水俣病の罹患の有無という現在または過去の確定した客観的事実を確認する行為であって、この点に関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき性質のものではない

エ 生活保護法に基づく保護基準が前提とする「最低限度の生活」は専門的、技術的な見地から客観的に定まるものであるから、保護基準中の老齢加算に係る部分を改定するに際し、最低限度の生活を維持する上で老齢であることに起因する特別な需要が存在するといえるか否かを判断するにあたって、厚生労働大臣に政策的な見地からの裁量権は認められない

オ 学校施設の目的外使用を許可するか否かについては、原則として管理者の裁量に委ねられており、学校教育上支障があれば使用を許可することが出来ないことは明らかであるが、集会の開催を目的とする使用申請で、そのような支障がないものについては、集会の自由の保障の趣旨に鑑みこれを許可しなければならない

9の正解はここ
ア・ウが正しい

問10

行政立法についての最高裁判所の判例に関し妥当なものはどれ

1 国家公務員の退職共済年金受給に伴う退職一時金の利子相当額の返還について定める国家公務員共済組合法の規定において、その利子の利率を政令で定めるよう委任をしていることは、直接に国民の権利義務に変更を生じさせる利子の利率の決定という、本来法律で定めるべき事項を政令に委任するものであり、当該委任は憲法41条に反し許されない

2 監獄法(当時)の委任を受けて定められた同法施行規則において、原則として被拘留者と幼年者との接見を許さないと定めていることは、物事を弁別する能力のない幼年者の心情を害する事が無いようにという配慮の下に設けられたものであるとしても、法律によらないで被拘留者の接見の自由を著しく制限するものであって法の委任の範囲を超えるものと言え、無効である

3 薬事法(当時)の委任を受けて、同法施行規則において一部の医薬品について郵便等販売をしてはならないと定めることについて、当該施行規則の規定が法律の委任の範囲を逸脱したものではないというためには、もっぱら法律中の根拠規定それ自体から、郵便等販売を規制する内容の省令の制定を委任する授権の趣旨が明確に読み取れることを要するものというべきであり、その判断において、立法過程における議論を考慮したり、根拠規定以外の諸規定を参照して判断をすることは許されない

4 児童扶養手当法の委任を受けて定められた同法施行令の規定において、支給対象となる婚姻外懐胎児童について「父から認知された児童を除く」が設けられていることについては、憲法に違反するものでもなく、父の不存在を指標として児童扶養手当の支給対象となる児童の範囲を画することはそれなりに合理的なものともいえるから、それを設けたことは政令制定者の裁量の範囲内に属するものであり、違憲・違法ではない

5 銃砲刀剣類所持等取締法が、銃砲刀剣類の所持を原則として禁止した上で、美術品として価値ある刀剣類の所持を認めるための登録の方法や鑑定基準等を定めることを銃砲刀剣類登録規則に委任している場合に、当該登録規則において、登録の対象を日本刀に限定したことについては、法律によらないで美術品の所有の自由を著しく制限するものであって、法の委任の範囲を超えるものといえ、当該登録規則の規定は無効である

10の正解はここ
2

問11

行政手続法が定める意見公募手続に関し正しいものはどれ

1 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令を定めようとする場合には、当該命令等の案およびこれに関連する資料をあらかじめ公示して広く一般の意見を求めなければならない

2 命令等制定機関は、定めようとする命令等が、他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等であったとしても、自らが意見公募手続を実施しなければならない

3 命令等制定機関は、命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするときでも、意見公募手続を実施しなければならない

4 命令等制定機関は、意見公募手続の実施後に命令等を定めるときには所定の事項を公示する必要があるが、意見公募手続の実施後に命令等を定めないこととした場合には、その旨につき特段の公示を行う必要はない

5 命令等制定機関は、所定の事由に該当する事を理由として意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、命令等の題名及び趣旨について公示しなければならないが、意見公募手続を実施しなかった理由については公示する必要はない

11の正解はここ
1

問12

理由の提示に関し、行政手続法の規定又は最高裁判所の判例に照らし妥当なものはどれ

1 行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合、当該申請をした者以外の当該処分につき利害関係を有するものと認められる者から請求があったときは、当該処分の理由を示さなければならない

2 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分する場合でも、当該申請が法令に定められた形式上の要件に適合しないことを理由とするときは、申請者に対して当該処分の理由を示す必要はない

3 行政庁は、理由を示さないで不利益処分をすべき差し迫った必要がある場合であれば、処分と同時にその理由を示す必要はなく、それが困難である場合を除き当該処分後の相当の期間内にこれを示せば足りる

4 公文書の非開示決定に付記すべき理由については、当該公文書の内容を秘匿する必要があるため、非開示の根拠規定を示すだけで足りる

5 旅券法に基づく一般旅券の発給拒否通知書に付記すべき理由については、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して拒否されたかに関し、その申請者が事前に了知しうる事情の下であれば、単に発給拒否の根拠規定を示すだけで足りる

12の正解はここ
3

問13

行政指導についての行政手続法の規定に関しただしい組み合わせはどれ

ア 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないとされているが、その定めが適用されるのは当該行政指導の根拠規定が法律に置かれているものに限られる

イ 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に行政機関が許認可等をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して行政手続法が定める事項を示さなければならず、当該行政指導が口頭でされた場合において、これら各事項を記載した書面の交付をその相手方から求められたときは、行政上特別な支障のない限りこれを交付しなければならない

ウ 行政指導をすることを求める申出が、当該行政指導する権限を有する行政機関に対して適法になされたものであったとしても、当該行政機関は当該申出に対して諾否の応答をすべきものとされているわけではない

エ 地方公共団体の機関がする行政指導については、その根拠となる規定が法律に置かれているものであれば、行政指導について定める行政手続法の規定は適用される

13の正解はここ
イ・ウが正しい

問14

行政不服審査法が定める執行停止に関する記述で正しいものはどれ

1 審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行または手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、本案について理由がないとみえる時でも、審査庁は執行停止をしなければならない

2 審査庁は、いったんその必要性を認めて執行停止をした以上、その後の事情の変更を理由として当該執行停止を取り消す事は出来ない

3 審理員は執行停止をすべき旨の意見書を審査庁に提出することができ、提出を受けた当該審査庁は、速やかに執行停止をするかどうか決定しなければならない

4 再調査の請求は、処分庁自身が簡易な手続で事実関係の調査をする手続きであるから、再調査の請求において、請求人は執行停止を申し立てることはできない

5 審査庁が処分庁または処分庁の上級行政庁のいずれでもない場合には、審査庁は審査請求人の申立てにより執行停止を行う事は出来ない

14の正解はここ
3

問15

再調査の請求について定める行政不服審査法の規定に関する記述のうち正しいのはどれ

1 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合に審査請求を行ったときは、法律に再調査の請求が出来る旨の規定がある場合でも、審査請求人は当該処分について再調査の請求を行うことが出来ない

2 行政庁の処分につき処分庁に対して再調査の請求を行ったときでも、法律に審査請求ができる旨の規定がある場合には、再調査の請求人は当該再調査の請求と並行して審査請求もすることができる

3 法令に基づく処分についての申請に対して、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁が何らの処分もしない場合、申請者は当該不作為につき再調査の請求を行うことが出来る

4 再調査の請求については、審理員による審理または行政不服審査会への諮問は必要ないが、処分庁は決定を行った後に行政不服審査会への報告を行う必要がある

5 再調査の請求においては、請求人または参加人が口頭で意見を述べる機会を与えられるのは、処分庁がこれを必要と認めた場合に限られる

15の正解はここ
1

問16

行政不服審査法が定める審査請求に関し誤りの組み合わせはどれ

ア 処分の取消をもとめる審査請求は、所定の審査請求期間を経過した時には正当な理由があるときを除き、することができないが、審査請求期間を経過した後についても処分の無効の確認を求める審査請求ができる旨が規定されている

イ 審査請求は、他の法律または条令にこれを口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、審査請求書を提出してしなければならない

ウ 処分についての審査請求に理由があり、当該処分を変更する裁決をすることができる場合であっても、審査請求人に不利益に当該処分を変更する事は出来ない

エ 審査請求に対する裁決の裁決書に記載する主文が、審理員意見書または行政不服審査会等の答申書と異なる内容である場合であっても、異なることとなった理由を示すことまでは求められていない

オ 処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部または一部の停止その他の措置をとるよう求める申立ては、当該処分についての審査請求をした者でなければすることができない

16の正解はここ
ア・エが誤り

問17

行政事件訴訟法の条文空欄にあてはまる語句の組み合わせで正しいのはどれ

第25条第2項 処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる【ア】を避ける為緊急の必要があるときは、裁判所は申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止・・・をすることが出来なくなる。

第36条 無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により【イ】を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする【ウ】に関する訴えによって目的を達することができないものに限り提起することができる。

第37条の2 第1項 第3乗第6項第1号に掲げる場合(直接型ないし非申請型義務付け訴訟)において、義務付けの訴えは一定の処分がされないことにより【エ】を生ずるおそれがあり、かつその【オ】を避ける為他に適当な方法がない時に限り提起することが出来る

1重大な損害重大な損害私法上の法律関係損害拡大
2償う事の出来ない損害重大な損害現在の法律関係重大な損害損害
3 重大な損害 損害現在の法律関係重大な損害損害
4償う事の出来ない損害損害私法上の法律関係損害拡大
5 重大な損害 償う事の出来ない損害公法上の法律関係重大な損害拡大

17の正解はここ
3 重大な損害 損害 現在の法律関係 重大な損害 損害

問18

行政事件訴訟法が定める処分取消訴訟に関し正しいものはどれ

1 処分をした行政庁が国または公共団体に所属する場合における処分取消訴訟は、当該処分をした行政庁を被告として提起しなければならない

2 処分取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所または処分をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する

3 処分をした行政庁が国または公共団体に所属しない場合における処分取消訴訟は、法務大臣を被告として提起しなければならない

4 裁判所は訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、決定をもって当該第三者を訴訟に参加させることができるが、この決定は当該第三者の申立てがない場合であっても職権で行うことが出来る

5 処分取消訴訟は、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においては、特段の定めがない限り、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければこれを提起することが出来ない

18の正解はここ
4

問19

取消訴訟の原告適格に関し、最高裁判所の判例に照らし妥当なものはどれ

1 地方鉄道法(当時)による鉄道料金の認可に基づく鉄道料金の改定は、当該鉄道の利用者に直接の影響を及ぼすものであるから、路線の周辺に住居し、特別急行を利用している者には、地方鉄道業者の特別急行料金の改定についての認可処分の取消を求める原告適格が認められる

2 文化財保護法は、文化財の研究者が史跡の保存・活用から受ける利益について、同法の目的とする一般性、抽象的公益のなかに吸収・解消させずに、特に文化財の学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮をしている規定を置いている為、史跡を研究の対象とする学術研究者には、史跡の指定解除処分の取消を求める原告適格が認められる

3 不当景品類及び不当表示防止法は、公益保護を目的とし、個々の消費者の利益の保護を同時に目的とするものであるから、消費者が誤認をする可能性のある商品表示の認定によって不利益を受ける消費者には、当該商品表示の認定の取消を求める原告適格が認められる

4 航空機の騒音の防止は、航空機騒音防止法の目的であるとともに、航空法の目的でもあるところ、定期航空運送事業免許の審査に当たっては、申請事業計画を騒音障害の有無および程度の点からも評価する必要があるから、航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民には、免許の取消しを求める原告適格が認められる

5 都市計画事業の認可に関する都市計画法の規定は、事業地の周辺に居住する住民の具体的利益を保護するものではないため、これらの住民であって騒音、振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのあるものであっても、都市計画事業認可の取り消しを求める原告適格は認められない

19の正解はここ
4

問20

消防署の職員が出火の残り火の点検を怠ったことに起因して再出火した場合、それにより損害を被ったと主張する者から提起された国家賠償請求訴訟にかかる最高裁判所の判例で空欄に入る語句の組み合わせはどれ

失火責任法は、失火者の責任条件について民法709条【ア】を規定したものであるから、国家賠償法4条の「民法」に【イ】と解するのが相当である。また、失火責任法の趣旨にかんがみても、公権力の行使に当たる公務員の失火による国または公共団体の損害賠償責任についてのみ同法の適用を【ウ】合理的理由も存しない。したがって公権力の行使に当たる公務員の失火による国または公共団体の損害賠償責任については、国家賠償法4条により失火責任法が【エ】され、当該公務員に重大な過失のあることを【オ】ものといわなければならない

1の特則含まれる排除すべき適用必要とする
2が適用されない事含まれない認めるべき排除必要としない
3が適用されない事含まれない排除すべき適用必要としない
4が適用されない事含まれる認めるべき排除必要とする
5の特則含まれない排除すべき適用必要としない

20の正解はここ
1

問21

規制権限の不行使(不作為)を理由とする国家賠償請求に関し妥当な組み合わせはどれ

ア 石綿製品の製造等を行う工場または作業場の労働者が石綿の粉じんにばく露したことにつき、一定の時点以降、労働大臣(当時)が労働基準法に基づく省令制定権限を行使して罰則をもって上記の工場等に局所排気装置を設置することを義務付けなかったことは、国家賠償法1条1項の適用上違法である

イ 鉱山労働者が石炭等の粉じんを吸い込んでじん肺による健康被害を受けたことにつき、一定の時点以降、通商産業大臣が鉱山保安法に基づき粉じん発生防止策の権限を行使しなかったことは、国家賠償法1条1項の適用上違法である

ウ 宅地建物取引業法に基づき免許を更新された業者が不正行為により個々の取引関係者に対して被害を負わせたことにつき、免許権者である知事が事前に更新を拒否しなかったことは、当該被害者との関係において国家賠償法1条1項の適用法上違法である

エ いわゆる水俣病による健康被害につき、一定の時点以降健康被害の拡大防止のために、水質規制に関する当時の法律に基づき指定水域の指定等の規制権限を国が行使しなかったことは、国家賠償法1条1項の適用上違法とはならない

21の正解はここ
ア・イが正しい

問22

地方自治法が定める公の施設に関する記述で妥当な組み合わせはどれ

ア 普通地方公共団体は、法律またはこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置に関する事項を条例で定めなければならない

イ 普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、審査請求制度の客観性を確保する観点から、総務大臣に対してするものとされている

ウ 普通地方公共団体が公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止したり、特定の者に長期の独占的な使用を認めようとしたりするときは、議会の議決に加えて総務大臣の承認が必要となる

エ 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用する事について不当な差別的取扱いをしてはならないが、この原則は住民に準ずる地位にある者にも適用される

22の正解はここ
ア・エが妥当。

問23

普通地方公共団体に適用される法令等に関し憲法および地方自治法の規定に照らし正しいのはどれ

1 国会は、当該普通地方公共団体の議会の同意を得なければ、特定の地方公共団体にのみ適用される法律を制定することはできない

2 普通地方公共団体は、法定受託事務についても条例を定めることができるが、条例に違反した者に対する刑罰を規定するには個別の法律による委任を必要とする

3 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができ、条例による委任のある場合には、規則で刑罰を規定することもできる

4 条例の制定は、普通地方公共団体の議会の権限であるから、条例案を議会に提出できるのは議会の議員のみであり、長による提出は認められていない

5 普通地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有する者は、法定数の連署をもって、当該普通地方公共団体の長に対し、条例の制定または改廃の請求をすることができるが、地方税の賦課徴収等に関する事項はその対象から除外されている

23の正解はここ
5

問24

地方自治法が定める普通地方公共団体の長と議会の関係に関する記述のうち正しい組み合わせはどれ

ア 普通地方公共団体の議会による長の不信任の議決に対して、長が議会を解散した場合において、解散後に招集された議会において再び不信任が議決された場合、長は再度議会を解散することができる

イ 普通地方公共団体の議会の議決が法令に違反していると認めた場合、長は裁量により当該議決を再議に付すことができる

ウ 普通地方公共団体の議会の議長が、議会運営委員会の議決を経て、臨時会の招集を請求した場合において、長が法定の期間内に臨時会を招集しない時は、議長がこれを招集することができる

エ 普通地方公共団体の議会が成立し、開会している以上、議会において議決すべき事件が議決されないことを理由に、長が当該事件について処分(専決処分)を行う事はできない

オ 地方自治法には、普通地方公共団体の議会が長の決定によらずに、自ら解散することを可能とする規定はないが、それを認める特例法が存在する

24の正解はここ
ウ・オが正しい

問25

墓地埋葬法13条「墓地・納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けた時は、正当な理由がなければこれを拒んではならない」と定めているところ、同条の「正当の理由」について、厚生省(当時)の担当者が、従来の通達を変更し、依頼者が他の宗教団体の信者であることのみを理由として埋葬を拒否することは「正当の理由」によるものとは認められないという通達を発した。本件通達は、当時の制度の下で、主務大臣がその権限に基づき所掌事務について、知事をも含めた関係行政機関に対し、その職務権限の行使を指揮したものであるが、この通達の取消を求める訴えに関する最高裁判所判決の内容として妥当なものはどれ

1 通達は、原則として、法規の性質をもつものであり、上級行政機関が関係下級行政機関および職員に対してその職務権限の行使を指揮し、職務に関して命令するために発するものであって本件通達もこれに該当する

2 通達は、関係下級機関および職員に対する行政組織内部における命令であるが、その内容が法令の解釈や取扱いに関するものであって、国民の権利義務に重大なかかわりをもつようなものである場合には、法規の性質を有することとなり、本件通達の場合もこれに該当する

3 行政機関が通達の趣旨に反する処分をした場合においても、そのことを理由としてその処分の効力が左右されるものではなく、その点では本件通達の場合も同様である

4 本件通達は従来とられていた法律の解釈や取扱いを変更するものであり、下級行政機関は当該通達に反する行為をすることはできないから、本件通達はこれを直接の根拠として墓地の経営者に対し新たに埋葬の受忍義務を課すものである

5 取消訴訟の対象となりうるものは、国民の権利義務、法律上の地位に直接具体的に法律上の影響を及ぼすような行政処分等でなければならないのであるから、本件通達の取消しを求める訴えは許されないものとして棄却されるべきである

25の正解はここ
3

問26

公立学校に関して、最高裁判所の判例に照らし妥当な組み合わせはどれ

ア 公立高等専門学校の校長が、必修科目を履修しない学生を原級留置処分または退学処分にするに際しては、その判断は校長の合理的な教育的裁量に委ねられる

イ 公立中学校の校庭が一般に開放され、校庭を利用していた住民が負傷したとしても、当該住民は本来の利用者とはいえないことから、その設置管理者が国家賠償法上の責任を負う事はない

ウ 公立小学校を廃止する条例について、当該条例は一般的規範を定めるにすぎないものの、保護者には特定の小学校で教育を受けさせる権利が認められることから、その処分性が肯定される

エ 市が設置する中学校の教員が起こした体罰事故について、当該教員の給与を負担する県が賠償金を被害者に支払った場合、県は国家賠償法に基づき賠償金の全額を市に求償することができる

26の正解はここ
ア・エが正しい

問27

意思表示に関する記述のうち妥当なものはどれ

1 意思表示の相手方が、正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされ、相手方が通知の受領を拒絶した場合には意思表示の到達が擬制される。これに対して、意思表示を通知する内容証明郵便が不在配達されたが、受取人が不在配達通知に対応しないまま留置期間が経過して差出人に還付され、通知が受領されなかった場合には意思表示が到達したものと認められることはない

2 契約の取消の意思表示をしようとする者が、相手方の所在を知ることが出来ない場合、公示の方法によって行うことが出来る。この場合、当該取消の意思表示は、最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に相手方に到達したものとみなされるが、表意者に相手方の所在を知らないことについて過失があった場合には到達の効力は生じない

3 契約の申込みの意思表示に対して承諾の意思表示が郵送でなされた場合、当該意思表示が相手方に到達しなければ意思表示が完成せず契約が成立しないとすると取引の迅速性が損なわれることになるから、当該承諾の意思表示が発信された時点で契約が成立する

4 意思表示は、表意者が通知を発した後に制限行為能力者となった場合でもその影響を受けないが、契約の相手方がその事実を知りつつ承諾の通知を発したときには、当該制限行為能力者は契約を取り消すことが出来る

5 意思表示の相手方が、その意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき、または制限行為能力者であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない

27の正解はここ
2

問28

Aが従来の住所または居住を去って行方不明となった場合に関する記述で誤りはどれ

1 Aは自己の財産につき管理人を置いていたが、権限について定めていなかった場合であっても、管理人は、保存行為およびその財産の性質を変えない範囲内において利用又は改良を行うことができる

2 Aが自己の財産につき管理人を置かなかったときは、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所は、その財産の管理について必要な処分を命ずることが出来る

3 Aが自己の財産につき管理人を置いた場合において、Aの生死が明らかでないときは、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所は、管理人を改任することができる

4 Aの生死が7年明らかでない時は、利害関係人の請求により、家庭裁判所はAについて失踪の宣告をすることができ、これによりAは、失踪の宣告を受けた時に死亡したものとみなされる

5 Aについて失踪の宣告が行われた場合、Aは死亡したものとみなされるが、Aが生存しているときの権利能力自体は、これによって消滅するものではない

28の正解はここ
4

問29

物権的請求権に関して妥当でないものはどれ

1 A所有の甲土地上に権原なくB所有の登記済みの乙建物が存在し、Bが乙建物をCに譲渡した後も建物登記をB名義のままとしていた場合において、その登記がBの意思に基づいてされていた時は、Bは、Aに対して乙建物の収去および甲土地の明渡の義務を免れない

2 D所有の丙土地上に権原なくE所有の未登記の丁建物が存在し、Eが丁建物を未登記のままFに譲渡した場合、Eは、Dに対して丁建物の収去および丙土地の明渡の義務を負わない

3 工場抵当法により工場に属する建物とともに抵当権の目的とされた動産が、抵当権者に無断で同建物から搬出された場合には、第三者が即時取得しない限り、抵当権者は、目的動産をもとの備付け場所である工場に戻すことを請求することができる

4 抵当権設定登記後に設定者が抵当不動産を他人に賃貸した場合において、その賃借権の設定に抵当権の実行としての競売手続きを妨害する目的が認められ、賃借人の占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、賃借人に対して抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる

5 動産売買につき売買代金を担保するために所有権留保がされた場合において、当該動産が第三者の土地上に存在してその土地所有権を侵害している時は、留保所有権者は、被担保債権の弁済期到来の前後を問わず所有者として当該動産を撤去する義務を免れない

29の正解はここ
5

問30

留置権に関し、民法の規定及び判例に照らし妥当なものはどれ

1 留置権者は、善良な管理者の注意をもって留置物を占有すべきであるが、善良な管理者の注意とは、自己の財産に対するのと同一の注意より軽減されたものである

2 留置権者は、債務者の承諾を得なければ留置物について使用・賃貸・担保供与をなすことができず、留置権者が債務者の承諾を得ずに留置物を使用した場合、留置権は直ちに消滅する

3 建物賃借人が賃料不払いにより賃貸借契約を解除された後に当該建物につき有益を支出した場合、賃貸人による建物明渡請求に対して、賃借人は、有益費償還請求権を被担保債権として当該建物を留置することはできない

4 Aが自己所有建物をBに売却し登記をB名義にしたものの代金未払の為Aが占有を継続していたところ、Bは同建物をCに転売し、登記はC名義となった。Cが所有権に基づき同建物の明渡を求めた場合、AはBに対する売買代金債権を被担保債権として当該建物を留置することはできない

5 Dが自己所有建物をEに売却し引き渡した後、Fにも同建物を売却しFが所有権移転登記を得た。FがEに対して当該建物の明渡しを求めた場合、EはDに対する履行不能を理由とする損害賠償請求権を被担保として当該建物を留置することが出来る

30の正解はここ
3

問31

AとBは、令和3年7月1日にAが所有する絵画をBに1000万円で売却する売買契約を締結した。同契約では、目的物は契約当日引き渡すこと、代金はその半額を目的物と引き換えに現金で、残金は後日銀行振込の方法で支払うこと等が約定され、Bは契約当日、約定通り500万円をAに支払った。この契約に関し、民法の規定および判例に照らし妥当でない組み合わせはどれ

ア 残代金の支払期限が令和3年10月1日と定められていたところ、Bは正当な理由なく残代金500万円の支払いをしないまま2か月が徒過した。この場合AはBに対して、2か月分の遅延損害金について損害の証明しなくとも請求することが出来る

イ 残代金の支払期限が令和3年10月1日と定められていた所、Bは正当な理由なく残代金500万円の支払いをしないまま2か月が徒過した場合、Aは、Bに対して遅延損害金のほか、弁護士費用その他取り立てに要した費用等を債務不履行による損害賠償として請求することが出来る

ウ 残代金の支払期限が令和3年10月1日と定められていたところ、Bは残代金500万円の支払いをしないまま2か月が徒過した。Bは支払いの準備をしていたが、同年9月30日に発生した大規模災害の影響で振込システムに障害が発生して振り込みができなくなった場合、AはBに対して残代金500万円に加えて2か月分の遅延損害金を請求することが出来る

エ Aの母の葬儀費用にあてられるため、残代金の支払期限が「母の死亡日」と定められていたところ、令和3年10月1日にAの母が死亡した。BがAの母の死亡の事実を知らないまま2か月が徒過した場合、AはBに対して残代金500万円に加えて2か月分の遅延損害金を請求することができる

オ 残代金の支払い期限について特段の定めがなかったところ、令和3年10月1日にAがBに対し残代金の支払いを請求した。Bが正当な理由なく残代金の支払いをしないまま2か月が徒過した場合、AはBに対して残代金500万円に加えて2か月分の遅延損害金を請求することが出来る。

31の正解はここ
イ・エが誤り

問32

債権者代位権に関し正しいのはどれ

1 債権者は、債務者に属する権利(以下、被代位権利という)のうち、債務者の取消権については、債務者に代位して行使する事は出来ない

2 債権者は、債務者の相手方に対する債権の期限が到来していれば、自己の債務者に対する債権の期限が到来していなくても、被代位権利を行使することができる

3 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が動産の引渡しを自己に対してすることを求める事は出来ない

4 債権者が、被代位権利の行使に係る訴えを提起し、遅滞なく債務者に対し訴訟告知をした場合には、債務者は被代位権利について、自ら取立てその他処分をすることはできない

5 債権者が、被代位権利を行使した場合であっても、債務者の相手方は、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない

32の正解はここ
5

問33

Aが甲建物(以下甲という)をBに売却する旨の売買契約に関する記述のうち誤りはいくつあるか

ア 甲の引渡しの履行期の直前に震災によって甲が滅失した場合であっても、Bは、履行不能を理由として代金の支払いを拒むことが出来ない

イ Bに引き渡された甲が契約の内容に適合しない場合、BはAに対して、履行の追完または代金の減額を請求することが出来るが、これにより債務不履行を理由とする損害賠償の請求は妨げられない

ウ  Bに引き渡された甲が契約の内容に適合しない場合、 履行の追完が合理的に期待できるときであっても、Bはその選択に従い、Aに対して履行の追完の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することが出来る

エ Bに引き渡された甲が契約の内容に適合しない場合において、その不適合がBの過失によって生じた時であっても、対価的均衡を図るために、BがAに対して代金の減額を請求する事は妨げられない

オ Bに引き渡された甲が契約の内容に適合しない場合において、BがAに対して損害賠償を請求するためには、Bがその不適合を知った時から1年以内に、Aに対して請求権を行使しなければならない

33の正解はここ
誤りは4つ

問34

不法行為に関し、民法の規定及び判例に照らし妥当でないものはどれ

1 訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りる

2 損害賠償の額を定めるにあたり、被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、身体的特徴が疾患に当らない場合には、特段の事情の存しない限り、被害者の身体的特徴を斟酌することはできない

3 過失相殺において、被害者たる未成年の過失を斟酌する場合には、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足りる

4 不法行為の被侵害利益としての名誉とは、人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価であり、名誉毀損とはこの客観的な社会的評価を低下させる行為をいう

5 不法行為における故意・過失を認定するにあたり、医療過誤事件では、診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準をもって、どの医療機関であっても一律に判断される

34の正解はここ
5

問35

Aが死亡し、Aの妻B、A・B間の子CおよびDを共同相続人として相続が開始した。相続財産にはAが亡くなるまでAとBが居住していた甲建物がある。この場合で正しい組み合わせはどれ

ア Aが、Aの死後、甲建物をBに相続させる旨の遺言をしていたところ、Cが相続開始後、法定相続分を持分とする共同相続登記をしたうえで、自己の持分4分の1を第三者Eに譲渡して登記を了した。この場合、BはEに対し登記なくして甲建物の全部が自己の属する事を対抗することができる

イ Aの死後、遺産分割協議が調わない間に、Bが無償で甲建物の単独での居住を継続している場合、CおよびDは自己の持分権に基づき、Bに対して甲建物を明け渡すよう請求することが出来るとともに、Bの居住による使用利益等について、不当利得返還請求権を有する

ウ Aが遺言において、遺産分割協議の結果にかかわらずBには甲建物を無償で使用および収益させることを認めるとしていた場合、Bは、原則として終身にわたり甲建物に無償で居住することが出来るが、甲建物が相続開始時にAとAの兄Fとの共有であった場合、Bは配偶者居住権を取得しない

エ 家庭裁判所に遺産分割の請求がなされた場合において、Bが甲建物に従前どおり無償で居住し続けることを望むときには、Bは、家庭裁判所に対し配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出ることができ、裁判所は甲建物の所有者となる者の不利益を考慮してもなおBの生活を維持するために特に必要があると認める時には、審判によってBに配偶者居住権を与えることが出来る

オ 遺産分割の結果、Dが甲建物の所有者と定まった場合において、Bが配偶者居住権を取得した時には、Bは単独で同権利を登記することができる

35の正解はここ
ウ・エが正しい

問36

商人でない個人の行為に関し、これを営業として行わない場合には商行為とならない組み合わせはどれ

ア 利益を得て売却する意思で時計を買い入れる行為
イ 利益を得て売却する意思で、買入れた木材を加工し製作した机を売却する行為
ウ 報酬を受ける意思で結婚式のビデオ撮影を引き受ける行為
エ 賃貸して利益を得る意思で、レンタル用DVDを買い入れる行為
オ 利益を得て転売する意思で、取得予定の時計を売却する行為

36の正解はここ
ウ・エ
商法501条、絶対的商行為は、営業として行うかどうかは関係なく商行為になります。営業的商行為は営業の為にする時に商行為となります。ウ・エは絶対的商行為に当りません。

問37

株式会社の設立に係る責任等に関し誤りはどれ

1 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が定款に記載または記録された価額に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、検査役の調査を経た場合および当該発起人または設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合を除いて、当該株式会社に対して連帯して、当該不足額を支払う義務を負う

2 発起人は、その出資に係る金銭の払込みを仮装し、またはその出資に係る金銭以外の財産の給付を仮装した場合には、株式会社に対し、払い込みを仮装した出資に係る金銭の全額を払い、または給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部を給付する義務を負う

3 発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う

4 発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う

5 発起人、設立時取締役または設立時監査役が株式会社または第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役または設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負う時は、これらの者は連帯債務者とする

37の正解はここ
4(1も誤り?? 2021/11/14現在)
4:これらのものが第三者に損害賠償するためには、「悪意又は重過失」があるときになります。

※1も誤りの可能性あり。現物出資財産等の価額が著しく不足する場合、
発起人(現物出資者・財産の引受人)は「発起設立・募集設立」両方の場合でも、責任を負います。総株主の同意があれば免責
それ以外の発起人・設立時取締役は「発起設立・募集設立」両方でも原則補填責任を負うが、
【発起設立の他の発起人、設立時取締役は検査役の調査「または」注意を怠らなかったことを証明すれば免責】
【募集設立の他の発起人、設立時取締役は検査役の調査を経れば免責ですが、注意を怠らなかったことを証明しても免責ではない】
となります。

問38

株券が発行されない株式会社の株式であって振替株式ではない株式の質入れに関し正しいものはどれ

1 株主が株式に質権を設定する場合には、質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載又は記録しなければ質権の効力は生じない

2 株主名簿に質権者の氏名または名称および住所等の記載又は記録をするには、質権を設定した者は、質権者と共同して株式会社に対してそれを請求しなければならない

3 譲渡制限株式に質権を設定するには、当該譲渡制限株式を発行した株式会社の取締役会または株主総会による承認が必要である

4 株主名簿に記載または記録された質権者は、債権の弁済期が到来している場合には、当該質権の目的物である株式に対して交付される剰余金の配当(金銭に限る)を受領し、自己の債権の弁済に充てることが出来る

5 株主名簿に記載又は記録された質権者は、株主名簿にしたがって株式会社から株主総会の招集通知を受け、自ら議決権を行使することが出来る

38の正解はここ
4

問39

社外取締役および社外監査役の設置に関する記述のうち誤りの組み合わせはどれ

ア 監査役設置会社(公開会社であるものに限る)が社外監査役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない

イ 監査役会設置会社においては、3人以上の監査役を置き、そのうち半数以上は社外監査役でなければならない

ウ 監査役会設置会社は(公開会社かつ大会社)であって金融商品取引法の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものにおいては、3人以上の取締役を置き、その過半数は、社外取締役でなければならない

エ 監査等委員会設置会社においては、3人以上の監査等委員である取締役を置き、その過半数は社外取締役でなければならない

オ 指名委員会等設置会社においては、指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会は、3人以上の取締役である委員で組織し、各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければならない

39の正解はここ
ア・ウが誤り
ア:会社法変更前にあったもので、変更後は「社外監査役を置かなければならない」になりました

問40

剰余金の株主への配当に関する記述のうち、会社法の規定に照らし正しい組み合わせはどれ

ア 株式会社は、剰余金の配当をする場合には、資本金の額の4分の1に達するまで、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を、資本準備金または利益準備金として計上しなければならない

イ 株式会社は、金銭以外の財産により剰余金の配当を行うことが出来るが、当該株式会社の株式等、当該株式会社の子会社の株式等および当該株式会社の親会社の株式等を配当財産とすることはできない

ウ 株式会社は、純資産額300万円を下回る場合には、剰余金の配当を行うことが出来ない

エ 株式会社が剰余金の配当を行う場合には、中間配当を行う時を除いて、その都度、株主総会の決議を要し、定款の定めによって剰余金の配当に関する事項の決定を取締役会の権限とすることはできない

オ 株式会社が最終事業年度において当期純利益を計上した場合には、当該純利益の額を超えない範囲内で、分配可能額を超えて剰余金の配当を行うことが出来る

40の正解はここ
ア・ウが正しい

問41

ア~エに当てはまる語句を選べ

問題は、裁判員制度の下で裁判官と国民とにより構成される裁判体が、【ア】に関する様々な憲法上の要請に適合した「【イ】」といい得るものであるか否かにある。・・・
 以上によれば、裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は、身分保障の下、独立して職権を行使する事が保障された裁判官と、公平性・中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員とによって構成されるべきものとされている。また、裁判員の権限は、裁判官と共に公判廷で審理に臨み、評議において事実認定、【ウ】及び有罪の場合の刑の量定について意見を述べ、【エ】を行う事にある。これら裁判員の関与する判断は、いずれも司法作用の内容をなすものであるが、必ずしもあらかじめ法律的な知識、経験を有することが不可欠な事項であるとはいえない。さらに、裁判長は、裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることも考慮すると、上記のような権限を付与された裁判員が、様々な視点や感覚を反映させつつ、裁判官との協議を通じて良識ある結論に達する事は、十分期待することができる。他方、憲法が定める【ア】の諸原則の保障は、裁判官の判断に委ねられている。
 このような裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な「【イ】」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われること(憲法31条、32条、37条1項)は制度的に十分保障されている以上、裁判官は【ア】の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める【ア】の諸原則を確保する上での支障はないということができる。

問41 選択肢

1 憲法訴訟 2 民事裁判 3 裁決 4 行政裁判 5 情状酌量
6 判例との関係 7 司法権 8 公開法廷 9 判決 10 紛争解決機関
11 決定 12 法令の解釈 13 裁判所 14 人身の自由 15 立法事実
16 評決 17 参審制 18 議決 19 法令の適用 20 刑事裁判

41の正解はここ
ア-20 刑事裁判
イ-10 紛争解決機関
ウ-19 法令の適用
エ-16 評決

問42

感染症法の令和3年2月改正に関する会話の空欄ア~エに当てはまる語句を選べ

教授: 今日は最近の感染症法改正について検討してみましょう。
学生: はい。新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。

教授:そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか?
学生:  はい。それは講学上は【ア】に当たるといわれていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。
教授: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げない事にしましょう。では改正ポイントについて説明してください
学生:  確か、当初の政府案では、懲役や100万円以下の【イ】を科すことができるとなっていました。
教授: 良く知っていますね。これらは講学上の分類では【ウ】に当りますね。その特徴はなんでしょうか。
学生:  はい。刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。
教授: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。
学生:  結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や【イ】ではなく、【エ】を科すことになりました。この【エ】は講学上の分類では行政上の秩序罰に当ります。
教授: そうですね。制裁を科すとしてもその方法には様々なものがあることに注意しましょう

問42 選択肢

1 罰金 2 過料 3 科料 4 死刑 5 公表 6 即時強制
7 行政代執行 8 仮処分 9 仮の義務付け 10 間接強制 11 課徴金
12 行政刑罰 13 拘留 14 損失補償 15 負担金 16 禁固
17 民事執行 18 執行罰 19 給付拒否 20 社会的制裁

42の正解はここ
ア-6 即時強制
イ-1 罰金
ウ-12 行政刑罰
エ-2 過料

問43

次の空欄に当てはまる語句を選択肢から選べ

 行政手続法14条1項本文が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の【ア】と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて【イ】に便宜を与える趣旨に出たものと解される。そして、同行本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかは、上記のような同項本文の趣旨に照らし、当該処分の根拠法令の規定内容、当該処分に係る【ウ】の存否及び内容並びに公表の有無、当該処分の性質及び内容、当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである
 この見地に立って建築士法・・・・による建築士に対する懲戒処分について見ると・・・処分要件はいずれも抽象的であるうえ、これらに該当する場合に・・・所定の戒告、1年以内の業務停止又は免許取消しのいずれの処分を選択するかも処分行政庁の裁量に委ねられている。そして、建築士に対する上記懲戒処分については、処分内容の決定に関し、本件【ウ】が定められているところ、本件【ウ】は、【エ】の手続を経るなど適正を担保すべき手厚い手続を経たうえで定められて公にされており・・・・多様な事例に対応すべくかなり複雑なものとなっている
 そうすると、建築士に対する上記懲戒処分に際して同時に示されるべき理由としては、処分の原因となる事実及び処分の根拠法条に加えて、本件【ウ】の適用関係が示されなければ、処分の名宛人において、上記事実及び根拠法条の提示によって処分要件の該当性に係る理由は知り得るとしても、いかなる理由に基づいてどのような【ウ】の適用によって当該処分が選択されたのかを知る事は困難であるのが通例であると考えられる

問43 選択肢

1 公平 2 審査基準 3 名宛人以外の第三者 4 弁明 5 条例
6 意見公募 7 説明責任 8 根拠 9 慎重 10 紛争の一回解決
11 要綱 12 諮問 13 処分基準 14 利害関係人 15 議会の議決
16 規則 17 不服の申立て 18 審査請求 19 適法性 20 聴聞

43の正解はここ
ア-9 慎重
イ-17 不服の申立て
ウ-13 処分基準
エ-6 意見公募

問44

私立大学であるA大学は、その設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反しているとして、学校教育法15条1項に基づき、文部科学大臣から必要な措置をとるべき旨の書面による勧告を受けた。しかしA大学は、指摘のような法令違反はないとの立場で、勧告に不服を持っている。この文部科学大臣の勧告は、行政指導の定義に照らして何に該当するか。また、それを前提に同法に基づき、誰に対してどのような手段をとることができるか。
当該勧告に関してはA大学に弁明その他意見陳述の為の手続は規定されておらず、運用上もなされなかったものとする

44の正解はここ
行政指導に該当し、文部科学大臣に対して、中止等の求めをすることができる。

問45

AはBに対して100万円の売掛代金債権(本件代金債権といい、解答でもこれを用いること)を有し、本件代金債権については、A・B間において第三者への譲渡を禁止する事が約されていた。しかしAは、緊急に資金が必要になった為、本件代金債権をCに譲渡し、Cから譲渡代金90万円を受領するとともに、同譲渡についてBに通知し、同通知はBに到達した。そこでCはBに対して、本金代金債権の履行期後に本件代金債権の履行を請求した。Bが本件代金債権に係る債務の履行を拒むことができるのはどのような場合か。
 なお、BのAに対する弁済その他の本件代金債権に係る債務の消滅事由はなく、また、Bの本件代金債権に係る債務の供託はないものとする

45の正解はここ
本件代金債権の譲渡禁止特約を、Cが知り、又は重過失により知らなかった場合。

問46

Aが所有する甲家屋につき、Bが賃借人として居住していたところ、甲家屋の2階部分の外壁が突然崩落して、付近を通行していたCが負傷した。甲家屋の外壁の設置または管理に瑕疵があった場合、民法の規定に照らし、誰がCに対して損害賠償を負う事になるか。必要に応じて場合分けをしながら40字程度で記述せよ

46の正解はここ
原則Bが負うが、Bが損害発生の防止など必要な注意をしていた場合、Aが負う