問1 内容積118リットルのLPガス容器に全てガス化したプロパンが0.50MPa(ゲージ圧力)で残っている。この時の温度は30℃であった。この容器内にあるプロパンの質量はおよそ何kgか。ただしプロパンを理想気体として計算、大気圧は標準大気圧0.1013MPaとする

1 0.8kg 2 1.2kg 3 1.6kg 4 2.4kg 5 2.8kg

1の正解はここ
2。

【状態方程式 PV=w/M(RT)】を使ってとてつもなく簡単に計算できます。
ポイントは【有効数字】【絶対圧力へ換算】【絶対温度へ換算】【㎥へ換算】【気体定数】
まず状態方程式を、求めたい形にトランスフォームします。今回はプロパンの質量wですので、w=PV×M/RT。

P 絶対圧力P=ゲージ圧力+大気圧力=0.50+0.10(大気圧は0.1013MPaですが、加減の時は小数点を合わせますので0.10)
V 体積㎥=L×10^-3(除算1/1000)=118×10^-3(1㎥=1000L)
M プロパンの分子量=44
R 気体定数=8.31×10^-3
T 絶対温度K=セルシウス温度℃+273=30+273

これらを代入するだけでOKです。問の選択肢は有効数字1か2になっているので気にします。

w={(0.50+0.10)×(118×10^-3)×44.0}/8.31×10^-3×(30+273)
 =(0.60×118×10^-3)×44.0/8.31×10^-3×303
 =0.07×44.0/2.52≒1.222222・・・・・・・etc
 選択肢の有効数字2なので、四捨五入して1.2(kg)となります
 

問2

プロパン70mol%とブタン30mol%からなるLPガス50kgが容器に充填されている。この容器中のプロパンはおよそ何kgか
1 18kg 2 26kg 3 32kg 4 35kg 5 38kg

2の正解はここ
3。
【プロパンのモル質量 44kg/kmol】【有効数字は乗除の時】
【n-ブタンのモル質量 58kg/kmol】

プロパンの質量がXkgなので、プロパンのkmolはX/44kmol。
ブタンのkmolは(50-?)/58kmolです。
これらは7:3の比になる。

X/44kmol:(50-X)/58kmol=70:30

(50-X)/58×70=X/44×30(両辺のkmolは消える)

X=70×44×50/(30×58+70×44)≒32kg(有効数字2桁)

※1つ1つ計算していった場合(有効数字最後に合わせるのでとりあえず普通に計算)

3500-70X/58=30X/44
3500-70X=1740X/44
154000-3080X=1740X
154000=1740X+3080X
154000=4820X
X=31.95・・・・・ 有効数字2桁なので四捨五入して32。

問3

プロパン8kg、ブタン4kgからなるLPガスが、すべてガス状になったときの標準状態(0℃、0.1013MPa)における体積はおよそ何㎥かアボガドロの法則を用いて計算せよ
1 4.1㎥ 2 4.7㎥ 3 5.1㎥ 4 5.6㎥ 5 6.0㎥

3の正解はここ
4。

【アボガドロの法則:標準状態では22.4Lで1mol(6.0×10^23個)となる。22.4㎥で1kmolでもある】
今回は㎥を求めたいので、プロパンとブタンの合計のkmolを出し、それに22.4㎥をかけます

〇プロパンの質量は44kg/kmolであり、今回は8kgなので8kg/44kg/kmolで8/44kmol

〇ブタンの質量は58kg/kmolであり、今回は4kgなので4kg/58kg/kmolで4/58kmol

(8/44+4/58)×22.4≒5.6㎥

問4

内容積50㎥のLPガス貯槽の気密検査を行うために窒素を圧入し、その圧力を1.80MPa(ゲージ圧力)まで上げて放置した。このときの貯槽内のガスの温度は30℃である。そのあと貯槽内のガス温度が低下し、圧力が1.65MPa(ゲージ圧力)になったとすると、貯槽内の窒素の温度はおよそ何℃になったか。
窒素は理想気体で、貯槽内の容積変化はなく、漏洩もない。標準大気圧とする
1 4℃ 2 6℃ 3 8℃ 4 10℃ 5 12℃

4の正解はここ
2。
【ボイルシャルルの法則:P1V1/T1=P2V2/T2】
ボイルシャルルの法則より、V1=V2のため、P1/T1=P2/T2.

求めたいのはT2なので、変形し、T2=T1P2/P1。

それぞれ代入すると
T2=(273+30)×(1.65+0.1013)/(1.80+0.1013)
 =303×1.7513/1.9013
 ≒279K

絶対温度Kを、求めたいセルシウス温度℃になおす。
 279-273=6℃

問5

次の記述のうち理想気体について正しいものはどれか

イ 気体の体積は、一定圧力のもとにおいては、その熱力学温度に比例する

ロ 気体の体積は、一定温度の下においては、その絶対圧力に比例する

ハ 絶対圧力を0.5倍、熱力学温度を2倍にすれば、その体積はもとの体積の2.5倍になる

二 体積一定のまま、熱力学温度を2倍すれば、絶対圧力はもとの絶対圧力の2倍になる

1イ・ロ 2イ・二 3ロ・ハ 4ロ・二 5ハ・二

5の正解はここ
2。
イ〇 気体の体積は、一定圧力の下では、熱力学温度に比例する。シャルルの法則

ロ× 気体の体積は、一定温度の下では、絶対圧力に反比例する。ボイルの法則

ハ× 絶対圧力を0.5倍にすると体積は2倍になる(ボイルの法則)
   熱力学温度を2倍にすると体積は2倍になる(シャルルの法則)
   計4倍になる

二〇 状態方程式 PV=nRTを変形するとP=nRT/V(①)
   P=nR(2T)/V。
   計算すると P=2nRT/V(②)なので、体積Vが一定のまま熱力学温度を2倍にすると絶対圧力は2倍になる(①と②より)

問6

内容積118Lの容器に50.0kg充填されたプロパンを49.5kg消費した。この容器内の温度が30℃であったとすると、圧力はゲージ圧でおよそ何MPaか。
残ったプロパンは全量気体とし理想気体として計算し、大気圧は標準大気圧0.1013MPaとする
1 0.10 2 0.14 3 0.24 4 0.34 5 0.44

6の正解はここ
2。
【状態方程式 PV=nRT】【今回の有効数字は3桁】
【1kmol=1000mol】【1MPa=1000000Pa(10^6)】
P:絶対圧力Pa、V:体積㎥、n:モル数mol、R:気体定数8.314Pa.㎥/(mol/K)、T:絶対温度K

今回は圧力を求めたいので、P=の形に変形する。 P=nRT/V

プロパンのmol数は44kg/molですが、今回のnは容器に残ったプロパンのモル数なので、(50.0kg-49.5kg)/44kg/kmol≒1.14×10^-2(0.0114)kmol=11.4mol。

Rは気体定数8.314Pa・㎥/(mol・K)

T絶対温度は30℃+273℃=303K

V体積は0.118㎥。(1L=0.001㎥。1㎥=1000Lにより) 全部代入すると

P=11.4×8.31×303/0.118≒243(243257.6)

PaをMPaにすると0.24MPa。

絶対圧力をゲージ圧になおすには標準大気圧0.1013MPaをひきますので
0.24MPa-0.10MPa=0.14MPaとなる。

問7

次の記述のうち温度や圧力などについて正しいのはどれか。

イ 絶対温度Kは、セルシウス温度℃と273(273.15)との和で表される

ロ 液体と気体が共存する液化石油ガスの容器内の底面の圧力は、容器の中の液体の単位面積当たりにかかる質量のみによって求められる

ハ 圧力は国際単位系SIではPaで表され、N/㎡とあらわすこともできる

二 トリチェリの実験で、水銀柱を100cm押し上げる圧力を標準大気圧という

1 イ・ロ 2 イ・ハ 3 イ・二 4 ロ・ハ 5 ハ・二

7の正解はここ
2。
イ〇 絶対温度Kはセルシウス温度℃と273との和で表される

ロ× 液体と気体が共存する液化石油ガスの容器内の底面の圧力は、容器の中の液体の単位面積あたりにかかる質量と気体の飽和蒸気圧の和で求められる

ハ〇 圧力はN/㎡でも表すことができる

二× 水銀柱を76cm押し上げる圧力を標準大気圧という

問8

ふたのない直立した底面積2㎡の直方体の容器に12mの高さまで水を入れたとき、この容器の底面にかかる水の圧力(ゲージ圧力)はおよそ何kPaか。水の密度を1000kg/㎥、重力加速度9.8m/s^2とする

1 59kPa 2 89kPa 3 118kPa 4 148kPa 5 236kPa

8の正解はここ
3。
【底面にかかる水の圧力=質量×重力加速度÷底面積】
【水の質量=水の体積×水の密度】
【体積=床面積×高さ】
これらの公式により、
2㎡×12m=24㎥。
24㎥×1000kg/㎥(10^3kg/㎥)。
24㎡×1000kg/㎥×9.8m/s^2/2㎡≒117.600(118×10^3)N/㎡(Pa)
これをkPaに換算すると、118kPaとなる。

問9

内容積47㎥のLPガス貯槽の気密試験を行うため窒素を1.8MPa(ゲージ圧力)まで圧入した。このときの貯槽内温度は35℃だった。この貯槽の温度が20℃まで低下したときの貯槽内圧力はおよそ何MPa(ゲージ圧力)か。窒素は理想気体とし、内容積に変化はなく漏洩はないものとする。
1 1.0MPa 2 1.6MPa 3 1.7MPa 4 1.8MPa 5 1.9MPa

9の正解はここ
3。
【ボイルシャルルの法則:P1V1/T1=P2V2/T2】
V1=V2なので,P1/T1=P2/T2。
求めるのはP2なので、P2=P1T2/T1となります。

代入していきますが、ゲージ圧力は絶対圧力に換算、セルシウス温度は絶対温度に換算するのを忘れないでください。

P2=(1.8+0.1013)(20+273)/(35+273)≒1.8MPa
これは絶対圧力なので、大気圧を引いてゲージ圧力に換算します。

1.8-0.1=1.7MPaとなります。

問10

内容積118リットルのLPガス容器に全てガス化したプロパンが0.6MPa(ゲージ圧力)で残っている。
この時の温度は25℃。この容器内にあるプロパンの質量はおよそ何kgか。プロパンを理想気体として計算せよ

1 1.3kg 2 1.5kg 3 2.9kg 4 3.1kg 5 3.6kg

10の正解はここ
2。

状態方程式【PV=w/M×RT】の場合
P:絶対圧力MPa、V:内容積㎥、R:8.31×10^-3MPa・㎥/kmol・K T:絶対温度K w:気体の質量kg M:気体のkg分子量

求めるkg=の形に変形します。
w=PV×M/(RT)。RTは()計算します。
これに代入しますが、絶対温度、絶対圧力、㎥への換算を忘れずに!

w=(0.6+0.1)×0.118×44/{8.31×10^-3(25+273)}
 =0.7×0.118×44/(8.31×10^-3×298)
 ≒1.5 となります。(答えや大気圧の計算などが少数第1位なのは、Mが44なので有効数字が2だからです。)

問11

内容積118Lの密閉した容器に温度5℃、圧力0.70MPa(ゲージ圧力)の理想気体が充填されている。この容器が直射日光により35℃まで温められた時の圧力はおよそ何MPa(ゲージ圧力)か。熱膨張による容積変化はない

1 0.67MPa 2 0.70MPa 3 0.75MPa 4 0.79MPa 5 0.89MPa

11の正解はここ
4。
今回はボイルシャルルの法則【P1V1/T1=P2V2/T2】
今回求めるのは圧力P2になるので、P2=の形に変形します。V1=V2を考慮し、
【P2=P1T2/T1】
P1:ゲージ圧力0.70+大気圧力0.10
T2:変化後のセルシウス温度35+273
T1:変化前のセルシウス温度5+273
これらを代入します。

P2=0.80*308/278 となり、0.89MPaとなります。最後にゲージ圧に変換するので0.1を引き、0.79MPaが答えとなります。

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